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2021 年度 実績報告書

ヘム酵素が生成する酸化活性種の精密構造解析

公募研究

研究領域高速分子動画法によるタンパク質非平衡状態構造解析と分子制御への応用
研究課題/領域番号 20H05452
研究機関国立研究開発法人理化学研究所

研究代表者

杉本 宏  国立研究開発法人理化学研究所, 放射光科学研究センター, 専任研究員 (90344043)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2022-03-31
キーワードヘム / X線自由電子レーザー
研究実績の概要

ヘムタンパク質の反応中間体について、X線自由電子レーザーを用いてX線結晶回折データを取得して無損傷構造の精密解析を行うことで、従来の結晶解析や分光学法だけでは明らかにすることができなかった配位子の性質やプロトン化状態などの化学的性質を解明することを目指した。ヘム酵素であるペルオキシダーゼでは、Fe(IV)を含む酸化活性種として2種類の中間体を経由することが長年知られてきたが、分光測定でのレーザーやX線損傷に敏感なことが解析を困難にしていた。本課題では大豆由来アスコルビン酸ペルオキシダーゼ(APX)および酵母シトクロムcペルオキシダーゼ(CcP)についての反応中間体の無損傷構造解析を英国の研究グループと共同で行った。
前年度までにAPXおよびCcPの酵素の結晶をいずれもCompound IIという2つ目の反応中間状態で凍結トラップする方法を確立し、SACLAで固定ターゲット(SF-ROX)法を用いた無損傷構造解析データの収集を行ってきた。本年度はAPX結晶については分解能1.5 Aでの精密化を完了した。この分解能では水素の位置情報を直接実験的に得ることができなかったが、Fe-O結合の距離を高い精度で決定し、水素原子が結合したFe(IV)-OHの状態であると結論付けた。
CcP結晶については、分解能1.06 Aの無損傷X線回折データデータセットを用いた構造解析によって活性部位を構成する各アミノ酸の水素原子の位置についても決定し、水素結合のネットワークを明らかにした。また、Fe-O結合の結合距離を高い精度で決定し、プロトン化していないFe(IV)=O状態であると結論付けた。CcPについてはX線自由電子レーザーによるタンパク質分子の構造としては世界最高分解能での解析であり、当初の目的を達成できた。これらの成果を国際誌Angew. Chem. Int. Ed.に報告した。

現在までの達成度 (段落)

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件)

  • [国際共同研究] University of Bristol/University of Leicester/MRC Laboratory of Molecular Biology(英国)

    • 国名
      英国
    • 外国機関名
      University of Bristol/University of Leicester/MRC Laboratory of Molecular Biology
  • [学会発表] High-resolution structural analysis of the heme proteins using neutron and XFEL crystallography2022

    • 著者名/発表者名
      Hiroshi Sugimoto
    • 学会等名
      6th International Symposium of Quantum Beam Science at Ibaraki University (Online, Ibaraki)
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Hydrogen atoms in protein structure: high resolution analysis of heme enzymes2022

    • 著者名/発表者名
      Hiroshi Sugimoto
    • 学会等名
      SACLA User’s Meeting (Online, Sayo)
    • 国際学会 / 招待講演

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公開日: 2022-12-28  

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