シナプスコネクトと再生阻害環境制御という2つのコンセプトの融合を図り、リハビリテーション効果を加えることによる、神経損傷からの超適応機能を目的とする。現時点までに、シナプスコネクターによる人為的神経回路再編への介入で、脊髄損傷でこれまで困難とされていた亜急性期の生理機能回復の可能性を示した(Science 2020)。さらに損傷後の再生阻害因子であるコンドロイチン硫酸(CS)発現を抑える核酸医薬候補のスクリーニングを進め、前段のシナプスコネクターとの薬剤併用による超回復を狙えるようになった。これらを組合わせた回復モデルを作成し、動物行動解析のためのDeepLabCutなどを駆使したAI運動解析を進展させている。機能回復に伴う運動機能回復の微細な要素抽出を進めることが出来た。 シナプスコネクターによる損傷後回復が、我々の想定を超えた亜急性期にも効果があり、実際のヒト治療可能性を含めた超回復モデルが可能となったことは大きい。これらを踏まえて、B02班との班内共同研究として損傷後慢性期でのAIも含めた運動歩行解析が導入できた。A05班内での新たな共同研究も開始し、超適応に向けた基盤技術の融合を進めることが出来た。
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