研究領域 | 身体-脳の機能不全を克服する潜在的適応力のシステム論的理解 |
研究課題/領域番号 |
20H05485
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
櫻田 武 立命館大学, 理工学部, 助教 (40588802)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ニューロフィードバック / 注意 / 個人差 / 脳波 / 高齢者 / 運動学習 |
研究実績の概要 |
本研究では,脳活動から個々人の注意制御能力を定量化する手法を応用し,ニューロフィードバックを用いた高齢者認知機能改善のためのテイラーメード訓練環境を確立することを目指している.このニューロフィードバック訓練系を用いることによって,運動中に注意を適切に向けるための神経回路が再構築され,それに伴い外部環境への適応能力や運動学習能力が向上することを示す. 本年度は,ニューロフィードバック訓練系の実装に加え,健常若年者を対象とした数日間のニューロフィードバック訓練前後における注意能力および運動パフォーマンスの評価を実施した.本ニューロフィードバック訓練系においては,自身の身体の一部へ注意を向ける「身体性注意」と外部環境へ注意を向ける「空間的注意」を訓練対象とし,これらの注意機能が向上したことを確認するため,Posner課題(反応時間課題)・Hand-choice task(左右の手のどちらを使用するか判断する課題)などを訓練前後において実施した.その結果,注意を向けることを訓練した場所(身体部位や外部空間)に提示した反応刺激に対する応答が速くなることや,特定の身体部位の使用頻度向上などの行動変容が確認されるケースが認められた.しかしながら,このような訓練効果には個人差も大きいことから,さらに多くの参加者データを集めていく必要がある.さらに,十分な訓練効果を得るための訓練日数の見積もりや最適な刺激呈示方法の同定も進めており,これらについては来年度も継続していく予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
訓練系の実装および健常若年者を対象としたデータの取得は順調に進んでいるが,コロナの影響により高齢者のリクルートがかなり難しい状況となっており,来年度も含めて十分なデータ計測が実施できるかどうか懸念される.
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今後の研究の推進方策 |
健常若年者を対象としたデータ取得は継続して実施する.訓練に必要な最低限の日数を見積もり,高齢者が参加しやすい状況を設定したうえで,リクルートも可能な範囲で進める.データ数を増やしたうえで訓練効果に関する予測モデルの構築を進めていく.
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