公募研究
本年度は、誘導結合プラズマ質量分析計(ICP-MS)を基盤とする単一細胞元素分析システムの実用化を意識して、量産型(使い捨て)の1細胞捕捉マルチウェルプレートの開発を進めるとともに、安価なレーザーを搭載した自作のアブレーション装置、及びそれを動かすソフトウェアの開発に取り組んだ。1) 紫外線硬化樹脂を用いた量産型1細胞捕捉マルチウェルプレートの開発と評価.半導体加工技術に基づくシリコン製のマルチウェルプレートの作製には手間とコストがかかる。そこで、シリコン製の原型を基にして、まずは常温硬化型シリコーンゴムを用いて転写鋳型を作製し、この鋳型に紫外線硬化樹脂を流し込み、その上にスライドガラスを被せてUV (48 W、365 - 405 nm LED)光を照射して硬化させた。こうして作製した量産型のマルチウェルプレートが、実際の単一細胞分析に使用可能かをヘマトコッカス(単細胞性緑藻の一種)の分析を通して評価したところ、多くの金属元素において、シリコン製のプレートと遜色のないデータを提供することを確認した。2) 単一細胞分析用レーザーアブレーション装置の開発.1細胞ずつレーザー光を逐次照射する専用のアブレーション装置とその制御ソフトウェアを試作した。本装置は、PC制御により試料の位置調整が可能なXYステージ、細胞を載せたプレートを収容する樹脂製のチャンバー、ガルバノスキャナーを備えた青色レーザー、及びアルゴンプラズマへと微細化した細胞を輸送する試料導入系の各ユニットからなる。ここに、デジタルカメラを組み込むことで、試料とレーザー照射スポットの観察・記録も可能とした。これにより、細胞情報(サイズ等の確認)を収集しながら、マルチウェルプレート上の細胞の元素データを1つずつ取得可能とした。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 4件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 4件、 招待講演 3件) 図書 (1件)
Talanta
巻: 240 ページ: 123162~123162
10.1016/j.talanta.2021.123162
巻: 238 ページ: 122994~122994
10.1016/j.talanta.2021.122994
Molecules
巻: 26 ページ: 7346~7346
10.3390/molecules26237346
Algal Research
巻: 58 ページ: 102394~102394
10.1016/j.algal.2021.102394