• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2020 年度 実績報告書

低密度で動き回る精子幹細胞が集団としてホメオスタシスを維持する機構の解明

公募研究

研究領域情報物理学でひもとく生命の秩序と設計原理
研究課題/領域番号 20H05548
研究機関基礎生物学研究所

研究代表者

北舘 祐  基礎生物学研究所, 生殖細胞研究部門, 助教 (10455214)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2022-03-31
キーワード幹細胞 / 数理モデル / 精子形成
研究実績の概要

精子幹細胞は特有のローカルな密度パターンを示し、集団として増殖しやすい時期と分化しやすい時期を周期的に繰り返しつつ、全体の数を一定に保つ。幹細胞は集団レベルで増殖と分化のバランスを保つと考えられるが、そのメカニズムは不明であり、幹細胞集団の恒常性維持機構は未だ謎に包まれている。

最近、精子幹細胞が細胞外の増殖因子を競合することで、幹細胞は集団レベルで増殖と分化のバランスを保つことを明らかにした。幹細胞は動きながら限られた量の増殖因子を奪い合う。幹細胞は増殖因子をとりこむと増殖し、とりこまないと分化する。増殖因子の量は限られており、これが律速要因となり、幹細胞数は一定量へと収束する。これまでの本研究において、幹細胞集団の周期的特異性を制御する因子を同定し、その発現分布と幹細胞の密度が相関することを見つけた。今後、同定した増殖因子を異所的に投与し、幹細胞が異所性に増加するかを解析する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今年度は、精子幹細胞の密度および増殖と分化のバランスについて、大規模な定量データを取得することに成功した。しかし、まだ定量情報を元に、数理モデル化し、シミュレーションするに至っていない。次年度以降、数理解析を行い、現象の説明に過不足のない数理モデルを追求する。

今後の研究の推進方策

幹細胞集団の周期的な特性を理解するため、同定した制御因子の発現量が半分のマウスで幹細胞の数が半分となるか、幹細胞の増殖や分化のバランスがどのように変化するかを定量的に解析する。定量データを蓄積した後、数理モデルをたてて、シミュレーションし、実測値と比較することで、幹細胞集団の特性を構成的に理解することを試みる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件)

  • [国際共同研究] ケンブリッジ大学(英国)

    • 国名
      英国
    • 外国機関名
      ケンブリッジ大学
  • [雑誌論文] Stem Cell Populations as Self-Renewing Many-Particle Systems2021

    • 著者名/発表者名
      David J. Jorg, Yu Kitadate, Shosei Yoshida, and Benjamin D. Simons
    • 雑誌名

      Annual Review of Condensed Matter Physics

      巻: 12 ページ: 135-153

    • DOI

      10.1146/annurev-conmatphys-041720-125707

    • 査読あり / 国際共著

URL: 

公開日: 2021-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi