研究領域 | 人間機械共生社会を目指した対話知能システム学 |
研究課題/領域番号 |
20H05567
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
吉野 幸一郎 国立研究開発法人理化学研究所, 科技ハブ産連本部, チームリーダー (70760148)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 対話システム / 行動変容 / マルチモーダル / 対話制御 / 感情 |
研究実績の概要 |
当該年度は特に2つの研究課題に注力した。1つ目の研究課題は、強化学習を用いたマルチモーダル対話制御における方策の研究である。対話システムの中でも、説得のように特定の目標に基づいて動作するようなシステムを「タスク対話システム」あるいは「目的志向対話システム」と呼ぶ。このタスク対話システムにおいては、長期の対話目標が存在するため、この目標に対する対話制御の最適化に強化学習を用いる。本研究課題では、入力から直接対話システムの行動計画を記述した方策を得る、End-to-endと呼ばれる手法をマルチモーダル対話制御に適用し、各情報に対するアノテーションを行うことなく効率的な方策を獲得する手法を開発した。また、既に学習された対話方策から新しい対話ドメインにおける方策の効率的な学習を行うため、方策再利用の手法について研究を行った。この研究の中では、行動関連確率と呼ばれる確率を定義し、確率密度ネットワークを用いて少量データから推定することで効率的な方策再利用を行った。2つ目研究課題では、実際にマルチモーダル対話ロボットを用いてユーザに行動変容を促す研究を行った。具体的には、対話ロボットが感情表現を効率的に用いて説得を行うことで、よりユーザに行動変容を促すようなシステムを構築した。このシステム構築のため、データ収集を行い発表した。これらの研究成果により、査読付き学術論文誌1件と査読付き国際会議論文1件の発表を行った。また、これ以外のテーマで学術論文誌3件と査読付き国際会議論文2件の発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルスの感染拡大防止に関わる施策のため、被験者を用いての対話収録実験に遅延が生じた。この収録については2021年度に実施見込み。
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今後の研究の推進方策 |
感染防止策を徹底した上で大規模なマルチモーダル対話収録実験を行い、行動変容対話に関する説得対話モデルを構築して評価する。
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