研究領域 | 人間機械共生社会を目指した対話知能システム学 |
研究課題/領域番号 |
20H05573
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研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
野村 竜也 龍谷大学, 先端理工学部, 教授 (30330343)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ロボット / ジェンダー / ステレオタイプ / 社会的影響 |
研究実績の概要 |
本課題の目的は、ロボットに付与される性別と期待されるタスクや役割との関係を明らかにした上で、特定の性ステレオタイプのロボット受容への関与とステレオタイプの再構築およびそれらがもたらす社会での性別不平等状況の維持の可能性を検討することにある。2020年度は、複数回にわたるオンラインでの質問紙調査に基づき、(1)現存のロボットに対する人々の認識において性差が存在するか、(2)どのようなタスク・役割においてロボットに性別付与が求められるか、またそれに対して元々人が持っている性差観がどのように影響するかについて分析を行った。 上記(1)については、2019年度に実施された調査データ(N = 400~500)を元に分析を行ったところ、ロボットに対する態度や期待・受容において明確な性差は認められず、メディアリテラシーやロボットに関する見聞経験が正の影響を与えることが示唆された。 一方、上記(2)について2020年度に新たに行った調査データ(N = 400~500)を元にした分析では、ロボットに求められるタスクや役割によって、男女によってロボットに求める容姿の性別が異なる傾向が示唆された。 さらに、2021年度では、個人の持つ性差観(古典的ジェンダーバイアスの許容度)とロボットに対する否定的態度との関連についてのオンライン質問紙調査(N = 400)を行った。全体として性差観と対ロボット否定的態度との間にある程度の相関が認められたが、年代によって相関の強さが異なることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルス感染拡大の影響により、対面形式での心理実験の実施が困難となり、オンラインでの質問紙調査を中心とした分析に偏った成果となった。
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今後の研究の推進方策 |
次年度以降の社会的状況を踏まえ、オンライン調査で明らかとなったロボットへの性別付与と既存のジェンダーステレオタイプとの関係に基づき、さらに対面形式での心理実験を実施することで検証を深めていく。
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