研究概要 |
膨大かつ複雑な情報を誰もが理解・活用できるようにするには,人間と対話しながら,その人の意図や興味を推察することによって,的確な情報を検索し提示するシステムの実現が重要となる.現状の情報検索システムでは,キーワードにマッチする数多くの候補がディスプレイに表示されて,ユーザがそれらを1つずつチェックするというインタフェースとなっている.これに対して我々は,音声対話によるリアルタイムのインタラクションを介して,ユーザの興味を喚起し,意図や選好を顕在化しながら,情報を検索.提示するプロアクティブなシステム「情報コンシェルジェ」の実現を目指して研究を行った. これまでに,京都の名所を対象として情報案内・質問応答を行う音声対話エージェント・ロボットを構築し,フィールドテスト及び改善を行ってきた.今年度は,この枠組みの多様なドメインへの適用を図るとともに,ユーザの検索要求・質問に合致する情報がない場合にも的確な情報推薦を行える枠組みについて研究した.具体的には,Web上のニュースサイトの情報を元にして,ユーザの意図・嗜好に沿って,対話的に検索・提示するシステムを設計した. また,人間どうしの自然なインタラクションをIMADEルームで収録し,分析を行った.具体的には,ポスター発表者と聴衆の会話を収録し,あいづちの形態的・韻律的分析を分析することで,聴衆が興味を表出していると考えられるあいづちのパターンを同定することができた.さらに,音声からあいづちや笑いなどを頑健に自動検出する方法についても研究を行った.
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