研究概要 |
ネットワークセンシングが発展し,大規模対象系から高次元時系列を得られるようになった.申請者等は,本特定領域研究A01-17のH18「大規模次元時系列の知識発掘・モデル化原理確立と商業ユビキタスデータによる検証」,H19-20「大規模次元観測時系列からのダイナミクス知識体系化と理解支援手法の開発」で,数万次元時系列からの対象ダイナミクスモデル化と知識発掘原理を確立した.しかし,それを利用した対象の将来変化予測と管理戦略導出手法は手つかずであった.本提案は,高次元観測データからの大規模対象状態に関する未来予測とその理解容易な集約知識に基づく管理戦略策定手法の確立を目的とし,その実応用として,数万のユビキタスセンサによって観測される高次元対象状態に関する予測と戦略策定を取り上げた.本年度は 1. 粒子フィルタにおける各シミュレーション粒子周りの局所ダイナミクスを逐次導出して,次元の呪いの問題を回避しつつ効率的かつ適切に修正すべき状態変数組を探索する手法の開発 2. 各粒子の選択状態変数組について局所ダイナミクスから逐次状態を修正予測する方法の開発に取り組み,更に 3. 多数の粒子の予測状態軌跡を巨視的に集約する方法を確立した.そして 4. 大規模次元大量商業物流・人間移動ユビキタス追跡システムデータに予備的に実適用し,当初開発する技術の問題点の洗い出しを行った.
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