研究概要 |
本研究では,情報爆発時代における人類の全情報の収集,整理を効率的に行うために,インターネット・ルータがパケット転送するのみならず,情報の発信・共有・検索・受信に積極的に関わるルータクラウド・インフラストラチャを提案,探求する.ネットワークルータは,エンドデバイスでは知り得ない広範囲な情報(例えば詳細な行動履歴)を獲得できる.このルータの立地の良さを利用して,今年度は,まず(1)パケットストリームを内部のメモリに取り込み,解析するサービス指向ルータ・アーキテクチャを検討した.次に,(2)パケットストリーム解析を支援するストリーム処理エンジンを検討した.そして,(3)サービス指向ルータにより実現されうる代表的なアプリケーション例として詳細な行動履歴解析や膨大なサイエンスデータ処理などを検討した. サービス指向ルータ・アーキテクチャの要素技術としては,今年度,(1)正規表現プロセッサ,(2)高速データベースインサーション,(3)パケット単位の文字列検索などの課題に取り組み,6Gbpsでのストリームの取り組みの実現性を示すなどの成果をあげた.また,サービス指向ルータのシミュレータの研究として,インターネット・ルータが情報の発信・共有・検索・受信の処理に積極的に関わることで,リアルタイムでの端末で得られない豊富な情報収集によるアプリケーション高度化を支援するネットワークモデルの提案を進めた.さらに,そのルータ,ゲートウェイなどのインターネット・インフラストラクチャのシミュレータを開発するなどの成果をあげた.
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