研究概要 |
本研究では,情報爆発時代における人類の全情報の収集,整理を効率的に行うために,インターネット・ルータがパケット転送するのみならず,情報の発信・共有・検索・受信に積極的に関わるルータクラウド・インフラストラチャを提案,探求した.インターネット・ルータは,エンドデバイスでは知り得ない広範囲な情報(例えば詳細な行動履歴)を獲得できる.そこでルータにおける情報処理の核となる技術として,今年度は様々なアプリケーションのレイヤ7解析をメモリ効率良く行う手法を提案,評価した.提案手法は,コンテキストスイッチ型TCPストリーム再構築エンジンを利用し,保存する中間状態の内容を柔軟に更新することで,トラフィック情報の他に,トラヒック中のコンテンツの文字列マッチング処理を行うことができる. さらに,本ルータのシミュレータの研究として,インターネット・ルータが情報の発信・共有・検索・受信の処理に積極的に関わることで,リアルタイムでの端末で得られない豊富な情報収集によるアプリケーション高度化を支援するネットワークモデルの開発を進めた.さらにクエリ言語の開発などの提案ルータへのアプリケーションからの問い合わせ実現のためのプラットフォームについて,パケットストリーム解析を支援するSQLの拡張言語を提案した.以上,インターネットアーキテクチャ,計算機アーキテクチャ,データベース,並列分散システムの各分野の融合による成果から提案ルータの各要素技術の研究開発からアプリケーション,実トラヒックを用いた応用研究に至るルータクラウド・インフラストラクチャに関する様々な研究成果を得ることができた.
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