• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2009 年度 実績報告書

非平衡基礎論とジャミング転移研究の融合

公募研究

研究領域非平衡ソフトマター物理学の創成に関する総括研究
研究課題/領域番号 21015005
研究機関東京大学

研究代表者

佐々 真一  東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (30235238)

キーワードジャミング転移 / 非平衡基礎論 / ガラス転移 / 格子模型 / 連続場記述
研究概要

お互いに運動の邪魔をする結果として生じる協同的運動停止(ジャミング転移)を非平衡統計力学の観点から理解するために、今年度得た知見は、次の2点である。
第一に、格子模型から有効な連続場記述に移行する数理的技術を整備した。近年、ジャミング転移を示す格子模型が知られはじめたため、その理論的解析を行うことが重要な出発点となる。ところが、離散変数のままだと微分・積分演算ができないため、理論物理的な計算が簡単でない。そこで、情報を失うことなく、連続場記述にうつり、そのあとで有効な記述を導くことが必要になる。前者については、30年以上前からその手続きは知られているが、その手続きと測定可能量の関係については、今世紀に入っても混乱したままだった。この混乱に対して明晰な回答を与えて、論文(J. Phys. A : Math. Theor.)として発表した。この技術を生かして、ジャミング転移と関わる模型の解析に移行している。
第2に、ジャミング転移の背後にある相空間構造を理解するために、平均場レベルで1段階レプリカ対称性の破れを示す格子気体模型の有限次元模型の動力学や統計力学を徹底的に調べた。標準的なスピングラス模型を含む今まで既知のどの模型よりも「遅い緩和」を示すことが分かった。この病的な状態の様相は、間違いなく当研究課題の問題の本質のと関わっているが、あまりにも難問のため、以前としてその本質的機構の解明に至っていない。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Two Langevin equations in the Doi-Peliti formalism2010

    • 著者名/発表者名
      K.Itakura, J.Ohkubo, S, Sasa
    • 雑誌名

      J.Phys.A : Math.Theor. 43

      ページ: 125001(12)

    • 査読あり
  • [学会発表] 熱力学ガラス転移は存在するか2009

    • 著者名/発表者名
      佐々真一
    • 学会等名
      日本物理学会
    • 発表場所
      熊本大学
    • 年月日
      2009-09-26

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi