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2010 年度 実績報告書

イオン液体中の動的秩序構造とそのダイナミクスに関する研究

公募研究

研究領域非平衡ソフトマター物理学の創成に関する総括研究
研究課題/領域番号 21015023
研究機関九州大学

研究代表者

高橋 良彰  九州大学, 先導物質化学研究所, 准教授 (40188066)

研究分担者 高田 晃彦  九州大学, 先導物質化学研究所, 助教 (20254427)
キーワードイオン液体 / 密度 / 粘度 / プルラン / Rouseモデル
研究概要

昨年度1-butyl-3-methylimidazolium chloride (BmimCl)と、水(H_2O)、エタノール(EtOH)、ジメチルアセトアミド(DMAc)などとの混合系の粘度と密度を広い組成範囲で25℃において測定した。粘度はすべての系において対数スケールでほぼ直線的に減少すること、BmimClの部分モル体積はそのモル比が0.1以下で、水との混合系ではほぼ一定、その他の液体との混合系では減少し続けること、さらに誘電緩和測定から、モル比0.1以下ではBmimClに水が比例的に配位するが、他の有機溶媒ではそうならないことを明らかにしてきた。本年度はモル比0.2以下の範囲で各種溶媒中のBmimClの比粘度をより詳細に測定し解析した。その結果、水以外の溶媒中ではモル比の増加とともに、低分子系で粘度の増加が最も大きいといわれていたLiCl水溶液と同等な増加を示すことが明らかになった。水中での粘度の増加はさらに大きく、モル比0.2では他の系の5倍程度にまで増加し、その濃度依存性は高分子希薄溶液の挙動に類似しており、ひも状の構造が存在すると考えるのが最も合理的であることが明らかになった。BmimClを溶媒として、水溶性高分子の標準試料であるプルラン溶液の粘度式の作成,および希薄溶液の動的粘弾性測定を行なった。粘度式の指数からbmimClは水より良溶媒であること,動的粘弾性の結果はRouseモデルに補正項を加えて現せることが判ってきた。セルロース溶液でも定性的に似た結果が得られており,bmimCl中で分子分散していると考えられるが、今のところデータの精度に少し問題がある2)。長い主鎖と短い鎖が結合した形態である絹フィブロインの場合,動的粘弾性挙動は上記2種類の高分子の場合とは異なり、樹状高分子の理論式で一応記述できることを見出した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] イオン液体中のヒルロースの溶液物性2010

    • 著者名/発表者名
      高橋良彰
    • 雑誌名

      ケミカルエンジニアリング

      巻: 55 ページ: 55-59

  • [学会発表] Viscoelastic Properties of Ionic Liquid Solution of Cellulose2010

    • 著者名/発表者名
      Yoshiaki Takahashi
    • 学会等名
      5th Pacific Rim Conference on Rheology
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      2010-08-02

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公開日: 2012-07-19   更新日: 2014-03-06  

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