研究領域 | 窒化物光半導体のフロンティア-材料潜在能力の極限発現- |
研究課題/領域番号 |
21016002
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
米永 一郎 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (20134041)
|
研究分担者 |
大野 裕 東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (80243129)
太子 敏則 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (90397307)
徳本 有紀 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (20546866)
|
キーワード | ナイトライド / 格子欠陥 / ナノ材料 / 結晶工学 / 結晶成長 / 転位 |
研究概要 |
高機能ナイトライドの実現に向けた障害が転位欠陥であり、その発生の抑制・不活性化など材料制御技術の開発が焦眉の課題である。特に、我々は結晶成長時に他の点欠陥・不純物と反応していないフレッシュな転位を導入し、その転位自身の有する固有の電子・光学物性を解明することを主たる目的とする。本年度、以下の成果を得た。 (1)薄膜状のナイトライドの機械的特性を一般化するために、室温でBerkovich圧子を用いたナノインデンテーション法による測定を行った。そして、AlNについて、その硬度が18GPa、せん断弾性定数が154GPaであることを明確にした。その硬度測定においては、材料の相変態を考慮する必要があることを見出した。 (2)AlN薄膜中の貫通型転位の芯構造を高分解能電子顕微鏡法により観察した。そして、それら転位がb=1/3<1210>の刃状転位であり、モザイク成長の結果導入される亜粒界界面に並ぶこと、その形成機構として、亜粒界の傾角差である0.6°から2.9°の角度を補正するために形成されることを見出した。 (3)GaN結晶中に塑性変形によって導入したフレッシュな転位について、それら転位の有する電気伝導特性を走査型プローブ顕微鏡を用いたscanning spread resistance microscopyにより2次元的に測定した。そして、GaNでは電気伝導が転位芯に沿った10~20nmの領域では促進され、一方その周囲での低下することを見出した。これはナイトライドに限らず、半導体中の転位による一次元伝導の可能性型明確に示すものであり、そのデバイスへの応用が期待される。
|