研究領域 | 窒化物光半導体のフロンティア-材料潜在能力の極限発現- |
研究課題/領域番号 |
21016003
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
尾鍋 研太郎 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (50204227)
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研究分担者 |
片山 竜二 東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (40343115)
矢口 裕之 埼玉大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (50239737)
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キーワード | 結晶工学 / 結晶成長 / MOVPE / 窒化インジウム / 窒化物半導体 |
研究概要 |
本研究課題は、平成19~20年度実施の本特定領域研究公募研究課題の「有機N原料によるInN薄膜のMOVPE成長」の成果を受けて、さらに発展させることを意図した。本研究の特徴は、有機N原料を有機金属原料とともに用いること、さらに原料間の付加化合物生成の寄生反応を避けるために原料の分離供給法を採用することにある。研究期間内において、MOVPE成長InN薄膜の高品質化を伝導性制御も含めて追求するとともに、作製する材料をInGaNおよびInAlNなどInリッチ窒化物混晶へ発展させること、またガス質量分析器を用いて反応系の詳細を明らかにし、寄生反応を回避する有効な反応経路を明らかにすることを目的とした。 最終年度である平成22年度においては、下記各項目に示す成果を挙げた。 1)細管により成長領域へ直接導入するガス種がTMInである場合およびDMHyである場合のそれぞれにおいて、成長特性の成長温度、V/III比、圧力依存性、TMIn供給量依存性を明らかにするとともに、最適細管先端位置の確定、および実効的V/III比など、その決定要因を明らかにした。とくに、成長温度500℃~570℃においてInN成長が効率的に進行することを明らかにした。 2)六方晶InNがサファイア基板上において単一ドメインで、[10-10]InN//[11-20]sapphireのエピタキシャル関係で成長することを、広い成長条件の範囲で確立した。 3)サファイア基板上にGaN層を形成したGaN擬似基板上へのInN成長において、InNウィスカーないしInN微粒子結晶が成長する性状を明らかにした。 4)質量分析器による反応ガス分析システムを活用し、有機N原料として用いるジメチルヒドラジン(DMHy)の熱分解特性を明らかにした。 これらの成果は、InNにもとづく光・電子デバイスを実用化するための高品質InN薄膜を、MOVPEにより実現することの可能性を強く示唆するものとなった。
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