研究領域 | 窒化物光半導体のフロンティア-材料潜在能力の極限発現- |
研究課題/領域番号 |
21016007
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
武内 道一 立命館大学, 立命館グローバル・イノベーション研究機構, 准教授 (60284585)
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研究分担者 |
青柳 克信 立命館グローバル, イノベーション研究機構, 教授 (70087469)
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キーワード | 深紫外発光素子 / 結晶成長 / III族窒化物半導体 / 量子井戸 / AIN / AIGaN / 縦型発光素子 / その場観察 |
研究概要 |
研究初年度であった平成21年度は深紫外発光素子に必要となるAIN/サファイアテンプレート構造の高品質化・厚膜化をはかるために、2光東成長その場観察技法を駆使して、以下のような知見を得た。 1.サファイア基板サーマルクリーニング温度、初期成長温度の検討 (1)一般的にサーマルクリーニングは成長温度(AINだと1150℃以上、のぞましくは1250℃以上)より高いものとするという認識であったが、1100℃以上のサーマルクリーニングはサファイア基板に熱ダメージを与えることが見いだされた。また、それ以下の温度、もしくはサーマルクリーニング無しの場合でも結晶品質には変化が無いこともわかった。 (2)初期成長温度が1100℃近傍で結晶性の最も良くなることが見いだされた。この温度以上では、初期成長膜形成中にやはりサファイア基板に熱ダメージが加わってしまうことを意味する。 2.AIN/サファイアテンプレート構造の反り (1)当構造は成長中に凹面状の反りを示すことがわかっている。格子定数差から見た場合、凸状態として反ることが予測されていたのだが、実際は反対であった。これは格子定数の温度依存性まで加味しても説明が付かなかった。 (2)初期成長温度を上昇させた場合、成長初期のわずかな間、一旦凸状態で反る挙動が初めて観測された。この辺りの詳細をさらに検討することで、凹状態反りのメカニズム解明につながるのではないかと考えている。 3.AIGaN層へのIII族元素ポストアニール効果 AIGaN表面にAl、Ga,InなどのIII族金属を圧着し熱アニールをかけると、とある条件下でフォトルミネセンス強度が増強される効果が見いだされた。点欠陥を補償するなんらかのメカニズムがあるのではと考え、検討を続けている。 4.深紫外LEDによる菌、ウイルスの不活化 作製した深紫外LEDを用いて大腸菌ファージの不活化実験を行い、明瞭な不活性能が得られることを見いだした。
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