公募研究
マイクロ波は吸収能の違いによって物質を選択的に加熱することができる。中でも固体と液体からなる不均一系では高いマイクロ波吸収性の固体がマイクロ波照射で選択的に加熱され、その表面は周囲の溶媒温度よりも高温になると考えられる。この高温な表面は反応場として機能することが期待できる。そこで本研究では、固体の選択加熱によって形成する高温の表面を利用して特異なナノ構造や反応促進を得ることを目的とした。WO3-TiO2ナノ粒子の合成を検討した。合成方法には金属塩化物とベンジルアルコールによる無水合成法を採用した。得られたサンプルの構造解析を行ったところ、マイクロ波で合成することによってWO3-TiO2ナノ粒子は四角形平板状のWO3ナノ粒子の周囲をTiO2ナノ粒子が不均一に覆った構造を形成した。これはWO3が選択加熱され表面が溶媒よりも高温となり、TiO2のWO3表面における核成長が促進されたためと考えられる。得られたサンプルの光触媒機能について可視光照射下における酢酸光酸化反応によって評価した。マイクロ波加熱で合成したWO3-TiO2ナノ粒子はWO3単独ナノ粒子よりも高い光触媒活性を示した。これはマイクロ波加熱で得られた特異なナノ構造によって励起電子-正孔再結合が抑制されたためと考えられる。
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