研究概要 |
新しい熱処理技術である電磁波加熱は,単に効率的に材料を加熱するだけではなく,電磁波特有の熱処理効果が現われることが知られでいる.この効果は電磁波周波数の高周波化にともない顕著となってきた.これに周波数に依存する電磁波の特殊効果について,我々が独自に開発に成功したサブミリ波電磁波材料プロセッシング装置を含む,マイクロ波(2.45GHz)からサブミリ波(300GHz)までの3桁に及ぶ電磁波をもちいて研究を行った. 高出力サブミリ波を用いたセラミックス焼結に関する研究では,部分安定化ジルコニアで我々が初めて観測したサブミリ波帯での電磁波の特殊効果の抑制現象について,高純度アルミナについて検証をおこなった,検証に当たり,実験に必要な1700℃の高温を実現するために,アプリケーターの測温方法を変更して.1800℃程度も出の測温が可能となった.アルミナのサブミリ波焼結の結果ジルコニアで見られたのと同様に,ミリ波焼結に比べ低温での緻密化が促進しないことが明らかになった.また緻密化にともなう密度変化の測定からは,ミリ波とは異なるボアの消滅の様子が予想される結果であった.またサブミリ波及びミリ波により焼結したジルコニアセラミックスの顕微鏡による組織観察から,緻密化にともなうボアの消滅の様子観察し,サブミリ波ではミリ波とは異なる特殊な消滅の様子を観測した. サブミリ波の集光特性を利用した高密度の電磁波照射や,電界強度を制御した電磁波加熱を実現するために,パルス照射を実現するため,ジャイロトロンの高電圧電源を改造しパルス動作による電磁波加熱実験が行えるようになった,ただしパルスの立ち上がり等で発生するオーバーシュート等の問題も明らかに成った.現在コンデンサー等を増強しこの現象にたいする対応を行っている.
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