• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2009 年度 実績報告書

マイクロ波によって促進される有機化学反応の機構解明

公募研究

研究領域マイクロ波高温非平衡加熱の研究総括
研究課題/領域番号 21017007
研究機関九州工業大学

研究代表者

大内 将吉  九州工業大学, 大学院・情報工学研究院, 准教授 (60242244)

キーワードマイクロ波 / 双極子モーメント / 酵素反応 / アレニウス式
研究概要

マイクロ波の有機反応の分子メカニズムを解明するために,温度,出力制御ができるシングルモードマイクロ波装置を用い,さまざまな有機化合物について,温度上昇度を測定し,熱収支からマイクロ波反応のメカニズムの解明を検討した。この研究では,混合物としての種々の化合物の物性とマイクロ波効果の相関を見ることとする。混合物を観察することは,マイクロ波照射下の有機化学反応をモデル化することにもなり,コンピュータシミュレーション研究への種々のパラメータを提供することにつながる。具体的には,上昇温度から熱量を算出し,化合物の容量(体積),比誘電率,分子軌道法により算出した双極子モーメント,誘電損失係数,粘度係数等のパラメータとの関係を検証している。平成21年度は,一般的な有機分子を多種類選ぶとともに,イオン性液体などの有機分子を加え,熱量測定のデータを得た。次年度に継続してデータの検証と解析を進める。さらに,有機反応の分子メカニズムとして,酵素反応について検討した。医薬品など有用物質を生産する技術として酵素は,高い立体選択性や化学特異性などを実現することからグリーンケミストリーに見合った手段として期待されている。しかしながら,有機溶媒中で酵素を用いた場合,反応時間が極端に長くなるなどの問題がある。この問題解決のためにマイクロ波照射下での酵素反応を検討した。種々の酵素をマイクロ波照射下で試したところ,酵素活性があがったものや下がったものなど,様々な効果が示された。酵素活性が上がったリパーゼについて速度論解析を行なったところ,活性化エネルギーに差はなく,頻度因子を増大させる効果が見られた。また,蛋白質立体構造とマイクロ波効果の関連性を特徴的な二次構造のヘリックス構造の含有量について検証したが,相関性は見られなかった。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2010 2009 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (5件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Molecular Weight Control of the Peptide Intermediate by the Microwave Assisted Hydrolysis of Ptotein2010

    • 著者名/発表者名
      T.Yoshimoto, H.Nakamura, S.Matsuo, S.Yamaoka, S.Ohuchi
    • 雑誌名

      Peptide Science 2009

      ページ: 133-134

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The Microwave Assisted Synthesis of Amino Acid Derivative Having CP Bond2010

    • 著者名/発表者名
      M.Kojyo, Y.Toriuchi, D.Wakino, S.Ohuchi
    • 雑誌名

      Peptide Science 2009

      ページ: 175-176

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Analysis of Protein and Peptide of Cultured Microorganism under Microwave Irradiation2010

    • 著者名/発表者名
      H.Sakaeda, Y.Nishiyori, Y.Shirakawa, T.Yoshimura, T.Kusumoto, S.Ohuchi
    • 雑誌名

      Peptide Science 2009

      ページ: 341-342

    • 査読あり
  • [学会発表] マイクロ波促進化学による生体高分子の加水分解反応2010

    • 著者名/発表者名
      中村博之, 大内将吉
    • 学会等名
      生命の起原および進化学会第35回学術講演会
    • 発表場所
      北海導函館市・分立はにだて未来大学
    • 年月日
      2010-03-15
  • [学会発表] 種々の有機能分子に対するマイクロ波照射の加熱メカニズム2009

    • 著者名/発表者名
      脇野大輔, 大内将吉
    • 学会等名
      第3回日本電磁波エネルギー応用学会シンポジウム
    • 発表場所
      東京都新宿区・東京理科大学
    • 年月日
      2009-11-19
  • [学会発表] 保護機の導入反応および除去反応に与えるマイクロ波照射の影響2009

    • 著者名/発表者名
      鳥打祐太, 大内将吉
    • 学会等名
      第3回日本電磁波エネルギー応用学会シンポジウム
    • 発表場所
      東京都新宿区・東京理科大学
    • 年月日
      2009-11-19
  • [学会発表] マイクロ波照射による生体高分子加水分解反応の分解挙動2009

    • 著者名/発表者名
      芳本智彦, 大内将吉
    • 学会等名
      第3回日本電磁波エネルギー応用学会シンポジウム
    • 発表場所
      東京都新宿区・東京理科大学
    • 年月日
      2009-11-19
  • [学会発表] アミラーゼ加水分解反応に対するマイクロ波照射の効果2009

    • 著者名/発表者名
      木本征吾, 大内将吉
    • 学会等名
      第3回日本電磁波エネルギー応用学会シンポジウム
    • 発表場所
      東京都新宿区・東京理科大学
    • 年月日
      2009-11-19
  • [備考]

    • URL

      http://www.bio.kyutech.ac.jp/~ohuchi/

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi