ガンマ線バーストは宇宙最大の高エネルギー現象であるが、そのエネルギー輻射メカニズムはまだ解明されていない。現在ファイヤーボールモデルという理論が有力であるが、その理論に従えば、ガンマ線バーストからやってくる硬X線は強く偏光するはずである。また幾つものガンマ線バーストに対して偏光度を測定すれば、詳細に輻射メカニズムを研究することができるため、本研究では衛星搭載用のガンマ線バースト偏光度検出器の基礎設計を行い、その性能を調べた。. 2010年度には、我々が作製を予定している検出器をコンピューターの中に再現し、どのようなレスポンスが得られるかを詳細に調べた。特にガンマ線バースト検出器は広い視野を持っているため、斜めからガンマ線が入射した場合にどのようなレスポンスを示すのかが詳細に調べられた。その結果以下のことが明らかになった。1)検出効率は真正面から入射した場合には16%程度、45度の斜め入射の場合には4%程度になる。2)モジュレーションファクターは真正面から入射した場合には、45%程度、45度の斜め入射の場合には、25%程度になる。3)偏光方向によって、モジュレーションファクターや検出効率が多少変化する。4)GRBが40%程度偏光していれば、年間19発程度が3σで検出できる。5年間の観測を行えば、統計的な観測結果が得られる。
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