ニュージーランドに設置されたMOA 1.8m光学望遠鏡と南アフリカに設置されたIRSF 1.4m赤外望遠鏡を用いたガンマ線バースト残光探索システムを改良し定常運転を開始した。 9月までを準備期間と位置づけ、早期警報システム、解析プログラム等の改良を行った。9月から定常観測を開始し、年度内に6回のガンマ線バースト残光探索に成功した。このうち2回について早期解析の結果、残光未検出の限界等級をGamma-ray burst Coordination Network Circular(GCNC)に投稿した。特にGRB091102においてはバースト発生から23分という早いタイミングでの観測に成功した。1回の観測はFermi衛星のLAT検出器が検出したガンマ線バーストに対して行い、MOAの広視野カメラを生かした観測が成功した。その他3回のガンマ線バーストに対しては初期解析プログラムに問題があったため初期結果の投稿にはいたらなかったが、システムを改良することができた。 本年度の観測では残念ながら残光の検出には至らなかった。より残光検出の効率をあげるため(かつ、他の観測を妨げないよう)、MOAにおける露光時間をこれまでの1分から5分に引き上げて次年度の探索を行うことを決定した。
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