ニュージーランドに設置されたMOA 1.8m光学望遠鏡と南アフリカに設置されたIRSF1.4m赤外望遠鏡を用いた南半球ガンマ線バースト残光探索システムを定常運転した。また、MOA 1.8m望遠鏡における多色測光を実現するための高速フィルター交換システムの導入試験を実施した。 前年度に完成した早期警報、観測、解析システムを用いて年度内に12回のガンマ線バースト残光探索観測に成功。そのうち11回でGamma-ray burst Coordination Network Circular (GCNC)に観測結果の速報を投稿した(3回の残光検出と8回の未検出)。 GRB100621AにおいてはIRSFでバースト発生1.5時間後に3等級の残光の増光を検出した。増光する残光は貴重な観測例であり、今後追観測と詳細な解析を通して論文として発表する予定である。GRB100823では視野内に複数の残光候補があり研究者を混乱させたが、MOAの5分後と22時間後の観測によって残光天体を特定することに成功した。21年度に観測に成功したFermi LAT検出のGRB100225Aについて詳細な解析を行ったが、視野内に残光候補天体は発見されなかった。FermiLATは今後即時警報をだすことになっており、MOAの広視野カメラを生かした観測が重要になる。 MOA望遠鏡のフィルター交換システムを高速化し、ガンマ線バースト残光の多色観測ができるよう、11月に新しいシステムの導入試験を実施した。機械的な改良を加えることで使用可能にするめどがたった。
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