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2009 年度 実績報告書

ナノ・マイクロ構造化表面と強光子場相互作用によるパルスX線発生

公募研究

研究領域光―分子強結合反応場の創成
研究課題/領域番号 21020009
研究機関東京大学

研究代表者

畑中 耕治  東京大学, 大学院・理学系研究科, 准教授 (90312545)

キーワードパルスX線 / フェムト秒レーザー / 表面構造 / 偏光 / プラズモン / チャープ / プラズマ
研究概要

平滑あるいはマイクロメータースケールの表面構造を有する銅基板を試料とし、フェムト秒レーザーパルス(パルス幅35fs、中心波長800nm、繰り返し周波数1kHz)を空気中で非軸放物面鏡により試料表面に集光照射した。その際、試料は電動ステージに取り付け、常に新しい試料表面をレーザー照射するように十分配慮した。X線発光強度はガイガーカウンタを、x線発光スペクトルはSi半導体検出器を用いてそれぞれ計測した。液晶型空間光変調器を用いてフェムト秒レーザーパルスのチャープ(パルス幅内周波数変化)を制御した上で照射パルスとして用い、上記検出器を用いてX線測定を行った。その結果、励起光強度を0.2mJ/pulse程度とするとき、最短パルス(チャープフリー、最高ピーク強度)照射時にはX線強度が最高とはならず、パルス幅内で周波数変化(波長変化)があるチャープパルス照射時にX線強度が増大することが見出された。この効果はより低い周波数(長波長)が先にくるアップチャープ時により顕著であった。照射するフェムト秒レーザーパルス幅内のX線発生に至る諸過程(イオン化、電子放出・加速、衝突、内殻励起など)がアップチャープで効率よく誘起されていることに起因すると考えられる。また励起光強度を1mJ/pulse程度とより高くすると、X線発光強度のチャープ依存性は前者の場合とは異なり、ダウンチャープ(より高い周波数(短波長)が先にくる)でX線強度がより高い傾向が観測された。イメージング実験により空気のブレイクダウンがアップチャープでより効率よく誘起されることを見出したことから、空気プラズマによりレーザーパルスの一部が反射され、試料基板表面に到達しないことが原因と結論した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010 2009

すべて 学会発表 (5件)

  • [学会発表] ナノ・マイクロ構造化表面と強光子場相互作用によるパルスX線発生2010

    • 著者名/発表者名
      畑中耕治
    • 学会等名
      特定領域研究「光-分子強結合場」第6回公開シンポジウム
    • 発表場所
      九州大学
    • 年月日
      20100129-20100130
  • [学会発表] Femtosecond Laser Chirp Dependence on X-ray Emission from Smooth and Rough Solid Surfaces2010

    • 著者名/発表者名
      Takashi Takei, Koji Hatanaka, Kaoru Yamanouchi
    • 学会等名
      第3回東大GCOEシンポジウム
    • 発表場所
      東京大学
    • 年月日
      2010-01-19
  • [学会発表] フェムト秒レーザー誘起パルスX線発生用各種構造化試料の作成と評価2009

    • 著者名/発表者名
      畑中耕治
    • 学会等名
      平成21年度ナノネット成果報告会
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      20091117-20091118
  • [学会発表] 表面プラズモン2009

    • 著者名/発表者名
      畑中耕治
    • 学会等名
      第6回AMO討論会
    • 発表場所
      大阪大学
    • 年月日
      20090612-20090613
  • [学会発表] ナノ・マイクロ構造化表面と強光子場相互作用によるパルスX線発生2009

    • 著者名/発表者名
      畑中耕治
    • 学会等名
      特定領域研究「光-分子強結合場」第5回シンポジウム
    • 発表場所
      京都大学
    • 年月日
      20090508-20090509

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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