研究概要 |
回折限界を越えるレーザー加工の例として、Si基板上で金ナノ粒子のプラズモン増強アブレーションによるナノホール形成が知られる。本研究では、金ナノ粒子で修飾した透明ガラス基板を用いて、レーザーとの相互作用による金粒子の形態変化と基板への影響を調べた。 フェムト秒(800,400nm)、ナノ秒およびCWレーザー(532nm)の照射を行った。ナノ秒照射では、レーザー加熱により金の沸点を超える温度上昇が起こり、熱爆発^<[1]>の起こるフルエンス(180mJ・cm^<-2>)以上で、基板にナノホール形成が見られた。一方、フェムト秒照射では、クーロン爆発による分裂しきい値(14mJ・cm^<-2>)以上のフルエンスで、ナノ粒子を配置した位置にナノホール形成が可能である。よって、ナノパターンを施した基板を用いてパターン形成ができた。レーザーの時間幅依存して異なる分裂メカニズムとなるため、加工穴形状が変化する。 レーザー光を吸収した金粒子の分裂のエネルギーによって、基板表面にピット状の加工穴ができるメカニズムが明らかとなり、プラズモン吸収を利用したガラスの表面加工への展望が開けた。今後、ナノ構造およびレーザー照射条件の最適化によるコントロールを行う。
|