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2009 年度 実績報告書

寄生虫の宿主・媒介節足動物間における環境応答性トランジションの解明

公募研究

研究領域感染現象のマトリックス
研究課題/領域番号 21022004
研究機関帯広畜産大学

研究代表者

嘉糠 洋陸  帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 教授 (50342770)

キーワード蚊 / 寄生虫 / 蠕虫 / 環境適応 / ストレス応答 / キナーゼ
研究概要

寄生虫感染症の多くは、終宿主以外の動物や自由生活世代を経るなど、その生活環において複数の発生ステージを持つ。その際、寄生虫は移行に伴う環境変化を刺激として、ステージの切り替え(トランジション)を行なっていると考えられる。寄生性線虫であるフィラリアの生活環は、媒介昆虫(蚊)と哺乳動物宿主の二つの動物ステージを経て完結する。この際、蚊-宿主間の移行に伴う温度変化の乗り越え(適応)システムを解明するため、犬フィラリア(Dirofilariaimmitis)の第3期幼虫(L3)における脱皮機構をモデルとして解析した。フィラリアの脱皮をin vitroで再現し、温度(37℃)と栄養環境め二つが蚊から宿主への移行時におけるフィラリア発育の重要な刺激因子であることを見出した。cDNAサブトラクション法を用いて温度変化前後での遺伝子発現を比較したところ、クチクラ関連因子(cut-1)やシステインプロテアーゼであるカテプシン-L等が単離された。これらの遺伝子のノックダウンによりL3の脱皮が抑制されたことから、寄生性線虫であるフィラリアは、温度変化に対する適応機構とともに、それを刺激としてライフサイクルを促進する遺伝子制御メカニズムを有することが示された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Loop-mediated isothermal amplification applied to filarial parasites detection in the mosquito vectors : Dirofilaria immitis as a study model2009

    • 著者名/発表者名
      Aonuma, H., Yoshimura, A., Perera, N., Shinzawa, N., Bando, H., Oshiro, S,, Nelson, B., Fukumoto, S., Kanuka, H.
    • 雑誌名

      Parasites & Vectors

      巻: 2 ページ: e15

    • 査読あり
  • [雑誌論文] p38 MAPK-Dependent Phagocytic Encapsulation Confers Infection Tolerance in Drosophila2009

    • 著者名/発表者名
      Shinzawa, N., Nelson, B., Aonuma, H., Okado, K., Fukumoto, S., Miura, M., Kanuka, H.
    • 雑誌名

      Cell Host & Microbe

      巻: 6 ページ: 244-252

    • 査読あり
  • [学会発表] Midgut-based insect and parasite interaction in malaria vector Anopheles mosquitoes2010

    • 著者名/発表者名
      嘉糠洋陸
    • 学会等名
      STINT workshop on Invertebrates
    • 発表場所
      スウェーデン国ウプサラ市
    • 年月日
      2010-03-16
  • [学会発表] マラリア媒介蚊における腸内細菌と病原体のインターフェース2009

    • 著者名/発表者名
      嘉糠洋陸
    • 学会等名
      第32回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2009-12-12

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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