|
細胞内の大規模な分解機構であるオートファジーには多くの蛋白質が関与している。とくにAtgと呼ばれるオートファゴソームの形成に関与する一群の分子群が存在し、我々を含めこれまで多くの研究がなされてきた。特にバクテリアが哺乳類細胞に侵入してきたとき、Atgが関与して、バクテリアを取り囲む現象が知られているが、その詳細は不明の点が多い。Group A streptococcusは細胞侵入時に膜に取り囲まれ、オートファゴソームに比べ大きな膜構造体GcAVができる。蛍光顕微鏡による生細胞観察の結果、GcAVは小さな前駆体構造が、互いに融合しながら、巨大化していくことが明らかになった。またRab7の優性附害変異体を発現させると、このGcAVの形成は全く起こらなかった。その局在の解析からRab7が直接この膜の形成に関与していることが示唆された。またサルモネラを使って、Atgがどのような挙動を示すのかの解析も進めている。
|
