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2009 年度 実績報告書

腸管寄生線虫における肺移行の意義の解明

公募研究

研究領域感染現象のマトリックス
研究課題/領域番号 21022041
研究機関宮崎大学

研究代表者

丸山 治彦  宮崎大学, 医学部, 教授 (90229625)

キーワード糞線虫 / ブタ回虫 / 体内移行 / 遺伝子発現 / 発育 / 宿主特異性 / 線虫 / ゲノム
研究概要

腸管寄生線虫の多くは幼虫の段階で肺を通過する。ところが肺通過という現象が発見されてから1世紀近く経つが、いまだその生物学的な意義は不明である。肺通過は寄生虫に対する宿主免疫応答からも重要である。本研究では、ベネズエラ糞線虫とブタ回虫の肺通過時の遺伝子発現の変化を定量的に解析し、線虫の肺通過の生物学的意味を解明する。本年度は、ベネズエラ糞線虫のゲノム情報を次世代型遺伝子解析装置によって取得し、併せて幼虫段階と成虫のトランスクリプト解析をおこなった。ブタ回虫では従来法による肺移行幼虫のEST解析を実施した。
次世代型遺伝子解析装置によるベネズエラ糞線虫ゲノムの分析では、計3,328,633リード(総計約1.2Gb)の塩基配列のアセンブルから、読み取りの冗長度は約22で、ベネズエラ糞線虫のゲノムサイズは55.4Mbと推定された。C.elegansゲノム、およびネズミ糞線虫ESTとの比較から、約7,000のベネズエラ糞線虫遺伝子候補を得た。トランスクリプト解析では総計11,627本のESTコンティグが得られ、この中の1,341本(11.5%)は既存のデータベースに相同配列を発見できなかった。発現量の多い遺伝子の種類を虫卵/L1幼虫と感染幼虫および成虫で比較すると、発育ステージごとに発現遺伝子の組成は大きく異なっていた。一方、ブタ回虫の肺移行期幼虫EST解析では、1,650クローンの塩基配列から得られた279本のESTコンティグ中、24本(13.3%)は既存ブタ回虫データベースに登録されていなかった。既存データは肺移行期幼虫のESTを含まないことから、これら(MUC-5、C-タイプレクチン、酸性プロテアーゼなど)は肺特異的に発現している可能性が高いと考えられた。次年度は、ベネズエラ糞線虫とブタ回虫の肺移行幼虫について、詳細なトランスクリプト解析を実施する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Case of creeping disease treated with ivermectin.2009

    • 著者名/発表者名
      Senba Y, Tsuda K, Maruyama H, et al.
    • 雑誌名

      Journal of Dermatology 36

      ページ: 86-89

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Fulminant eosinophilic myocarditis associated with visceral larva migrans caused by Toxocara canis infection.2009

    • 著者名/発表者名
      Enko K, Tada T, Ohgo KO, et al.
    • 雑誌名

      Circulation Journal 73

      ページ: 1344-1348

    • 査読あり
  • [学会発表] 第2世代シーケンサによるベネズエラ糞線虫ゲノムの解析2010

    • 著者名/発表者名
      長安英治、伊藤武彦、小椋義俊, ほか
    • 学会等名
      第8回感染症沖縄フォーラム
    • 発表場所
      沖縄国民年金健康センター(宜野湾市)
    • 年月日
      20100211-20100213
  • [学会発表] Gene expression analysis of lung stage larvae of Ascaris suum, the swine large intestinal roundworm.2009

    • 著者名/発表者名
      Yoshida A, Nagayasu, et al.
    • 学会等名
      Awaji International Forum on Infection and Immunity
    • 発表場所
      Awaji Yumebutai International Conference Center, Awaji, Japan
    • 年月日
      20090908-20090911

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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