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2009 年度 実績報告書

2次元二量子遷移パルスESR法の開発とタンパク構造揺らぎの研究

公募研究

研究領域膜超分子モーターの革新的ナノサイエンス
研究課題/領域番号 21023004
研究機関東北大学

研究代表者

大庭 裕範  東北大学, 多元物質科学研究所, 准教授 (10176985)

キーワード二量子コヒーレンス / パルスESR / 距離測定 / スピンラベル / フラーレン / トロポニン
研究概要

タンパクなどの巨大分子系の構造解析法として、X線結晶解析を始め様々な方法があるが、ESRによる距離測定は精度が高いのみでなく、構造のばらつきによる距離の分布も得ることができる、優れた方法である.この方法は、タンパクの場合、特定の部位をニトロキシドラジカルでラベルし(SDSL法)、スピン間距離を双極子相互作用から測定する.特にパルス二量子遷移法はこの相互作用を選択的に測定できる利点を持ち、さらに、2次元化によって距離分布とラジカル配向との相関を求めることができ、タンパクの構造揺らぎの異方性に関する知見を得ることが可能になる.本研究はこの手法の感度の向上および2次元法への拡張を目的とする.
21年度は、1)DQC2次元距離測定法の開発の基礎研究とその応用として、構造が堅固で明確に規定できると予想されるC_<60>のラジカル2付加体の合成、2)同位体置換によって、測定感度を向上させる手法についての検討を行った.1)C_<60>のラジカル2付加体は付加位置および付加方向によって20種以上の構造異性体を生じる.異性体は多様なラジカル間距離と配向を持つことから、2次元法のテストに適している.本年は、DQC測定が可能な1.5nm以上のスピン間距離を持つ異性体5種類をHPLCによって分離し、まず、付加位置を吸収スペクトルにより同定した.2)構造解析の目的としている筋収縮制御タンパクであるトロポニンを用いて、^<15>Nおよび重水素置換したスピンラベルをもちいて、パルスESR測定を行った.^<15>Nについては期待通りのスペクトル幅の減少による信号強度の増加を得ることができた.重水素置換の場合は、ラベル位置によって感度の向上の度合いがかなり異なることを見出した.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009

すべて 学会発表 (4件)

  • [学会発表] 2量子コヒーレンス法を用いたトロポニン複合体の構造解析2009

    • 著者名/発表者名
      阿部淳, 他
    • 学会等名
      第48回電子スピンサイエンス学会年会
    • 発表場所
      神戸大学(神戸)
    • 年月日
      2009-11-10
  • [学会発表] 過結合EPR共振器のQ値の決定法2009

    • 著者名/発表者名
      大庭裕範, 他
    • 学会等名
      第48回電子スピンサイエンス学会年会
    • 発表場所
      神戸大学(神戸)
    • 年月日
      2009-11-10
  • [学会発表] Structural Analysis of Troponin in Regulation of Muscle Contraction by Double Quantum Coherehce ESR2009

    • 著者名/発表者名
      阿部淳, 他
    • 学会等名
      第47回生物物理学会年会
    • 発表場所
      徳島文理大学(徳島)
    • 年月日
      2009-10-30
  • [学会発表] トロポニンタンパク質の構造解析:パルスESR法2009

    • 著者名/発表者名
      阿部淳, 他
    • 学会等名
      化学系学協会連合東北地方大会
    • 発表場所
      日本大学(郡山)
    • 年月日
      2009-09-19

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公開日: 2012-07-19  

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