公募研究
本研究では、高開口数の対物レンズと全反射型蛍光顕微鏡の照明系を併用することで、生体試料の詳細構造を高分解能で(~100nm)観察できる顕微鏡を作成することを目指す。本年度は、光学系の設計と装置の組み立てを行い、その性能の評価を行うためのシステムを組んだ。光源は、超高圧水銀灯を用い、開口数1.45の対物レンズを使用することとした。分解能を客観的に評価するために、高精度画像取り込み装置を設置(高解像度高感度冷却CCDカメラ)し、通常は無効倍率とされる高倍率での画像取り込み(5~10nm/pixel)を行うための装置として完成させた。画像の評価は、32ビット画像を2次元フーリエ変換行うことで、客観的なパラメタを計算し、コントラスト伝達関数を評価の基準とし、ケイソウ細胞を標準試料として評価するシステムとした。さらに、平行して、照明光源に480nmレーザー光を用い、斜光照明するための光学系の設計と装置組み立てを行った。これは、コンデンサレンズ前焦点面で環状に走査する機構を組み込んだもので、任意のリング径で環状照明できるようになっている。現時点では、予期される斜光照明顕微鏡の分解能性能がほぼ得られているが、観察試料の媒質と試料厚、さらに高屈折率の油浸オイルを組み合わせることで、さらに、構造化照明の技法を取り入れることで、生体試料観察(明視野照明、および、暗視野照明)条件の最適化を図る予定である。
すべて 2010 2009
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