公募研究
細胞内の大規模な分解機構であるオートファジーには多くの蛋白質が関与している。とくにAtgと呼ばれるオートファゴソームの形成に関与する一群の分子群が存在し、我々を含めこれまで多くの研究がなされてきた。今回、このオートファゴソームの形成にホスファチジルイノシトール3リン酸が深く関わることを明らかにした。ほ乳細胞で今まで知られていなかったAtg14L蛋白質を同定した。これはBeclin-1, hVps34ホスファチジルイノシトール3キナーゼ、hVps15プロテインキナーゼと複合体を形成し、そのノックアウト細胞では、オートファゴソームの形成が完全に停止していた。またホスファチジルイトシトール3ホスファターゼの優勢阻害変異体を発現することで、局所的なホスファチジルイノシトール3リン酸濃度が上昇し、オートファジーが始まることが明らかとなった。これらの結果より、キナーゼのホスファターゼのバランスにより、局所的なホスファチジルイノシトール3リン酸濃度が調節され、オートファジーの誘導に重要であることが示された。
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Traffic 4
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http://www.biken.osaka-u.ac.jp/act/act_yoshimori.php