研究領域 | タンパク質分解による細胞・個体機能の制御 |
研究課題/領域番号 |
21025019
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
野田 健司 大阪大学, 生命機能研究科, 准教授 (00290908)
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研究分担者 |
馬場 美鈴 工学院大学, 産学共同研究センター, 研究員 (80435528)
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キーワード | オートファジー / PI3P / ボスファチジルイノシトール三リン酸 / Atg14 / Vps34 / MTMR3 / ホスファチジルイノシトール3-キナーゼ / ホスファチジルイノシトール3-ボスファターゼ |
研究概要 |
本研究は細胞内たんぱく質分解現象であるオートファジーに関してその制御機構の詳細を明らかにすることを目的とした。特にその分解基質を隔離する膜構造体オートファゴソームの形成時の、その時空間的な制御に注目した。その結果、オートファジーに関わることが知られていたリン脂質、ホスファチジルイノシトール三リン酸(PI3P)が局所的に生成消失することがオートファゴソーム形成の制御に深く関わることを見出した。特に哺乳類で初めてオートファジー特異的なPI3Pの産出に関わるホスファチジルイノシトール3-キナーゼ複合体のサブユニットとしてAtg14Lを同定した。Atg14Lの欠損細胞はオートファゴソームの形成に欠損を示す。Atg14Lを含むホスファチジルイノシトール3-キナーゼ複合体はAtg14L依存的に小胞体へとリクルートされ、このリクルートの可否がオートファジー能とよく一致したことより、小胞体においてPI3Pがオートファジー有同時に産生されることが必須であることが証明された。またPI3Pの分解に関わるホスファチジルイノシトール3-ホスファターゼMTMR3の機能欠損がオートファゴソームの形成を誘導することを見出した。これらの結果より、小胞体におけるキナーゼとホスファターゼのバランスがオートファジー制御の必須ポイントであることを提唱した。
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