F-タンパク質の一つであるFbh1はSCFユビキチンリガーゼE3の構成要素としてのF-Boxモチーフと同時に、DNAヘリケースドメインとその酵素活性を有することに新奇な特徴があり、その基質認識の機構は従来のSCFリガーゼとは異なり、基質が何であるかとともに非常に興味深い.分裂酵母fbh1の変異の表現型からはDNA損傷に対する組換え修復に関わると思われた.そこで以下の点を確認した. ● 実際に上の二つの酵素活性があるかどうかを検証したところ試験管内での両者の活性を確認した. ● 最近開発されたin vitro相同組換え反応系においてその機能を解析したところ複数のステップで正あるいは負に相同組み換えを制御した. ● Fbh1を含むSCFリガーゼのユビキチン化基質はDNA相同組換えを制御するタンパク質ではないかと仮定し、分裂酵母でいくつかの候補タンパク質を精製し、直接in vitroのユビキチン化で検索したところ、Rhp51(Rad51ホモログ)がモノユビキチン化され、その補助因子であるRhp52(RAD22ホモログ)がポリユビキチン化された.後者が主なる標的タンパク質と思われるが、両者の結合に依存してRhp51も修飾されることが判明した. ● 引き続きこれらのユビキチン化サイトの決定と細胞内での修飾の検定、分解あるいは分解以外のユビキチン化機能の検索を行っている.
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