本研究の目的は、in vivo(インビボ)光イメージング技術を用いて、ユビキチン・プロテアソーム系によるTGF-β/BMPシグナル調節機構を生体で解析する革新的システムを構築することである。具体的には、TGF-β/BMPシグナルを伝達するSmadとそのE3ユビキチンリガーゼSmurf1/2の結合、SmadのSmurf1/2によるユビキチン化をSplit GFP技術を用いて可視化するトランスジェニックマウス、さらにTGF-βとBMPのシグナル伝達を可視化するGFPトランスジェニックマウスとSmurf1/2のノックアウトマウスを掛け合わせ、E3ユビキチンリガーゼの機能を動物個体レベルで解析する。 まず、本年度は、SmadとSmurf1/2の結合、さらにSmadのユビキチン化のイメージングに適切な組み合わせのSmadとSmurf1/2のGFP-NとGFP-Cとの融合蛋白質を恒常的に発現するベクターの作製をおこなった。次に、GFP-NとGFP-Cとの融合蛋白質を同時に発現するようにIRESシステムを用いた発現系の構築をおこない、トランスジェニックマウスの作製を進めた。TGF-β/BNP応答ルシフェラーゼ遺伝子のトランスジェニックマウスについては、ベクター作製が終わり、トランスジェニックマウスの作製の準備を始めた。 Smurf1/2のノックアウトマウスマウスについては、Smurf1Floxマウス、Col1CreマウスとSmurf2KOマウスそれぞれのバッククロスを進め、掛け合わせを始めた。Smurf1FloxとSmurf2KOマウスの掛け合わせにおいて、Smurf1Floxがhypomorphicであることが示唆されたので、次年度に確認するとともにその点に留意して注意深く進めることとした。
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