公募研究
近年、アルツハイマー病、パーキンソン病、ポリグルタミン(PolyQ)病など多くの神経変性疾患において、タンパク質のミスフォールディング・凝集が神経変性を引き起こすという共通の発症分子メカニズムが考えられるようになった。これまで申請者は、PolyQ病に対してPolyQタンパク質のミスフォールディング・凝集を標的とした治療法開発研究を進めてきたが、一方で既に凝集したタンパク質など神経毒性を発揮するミスフォールドタンパク質を除去する分解システムにも着目している。本研究では、神経変性疾患におけるユビキチン・プロテアソーム系とオートファジー・リソソーム系分解経路間のクロストークを含めたタンパク質分解システムの異常を個体レベルで解明し、ミスフォールドタンパク質の分解促進による治療法を開発することを目的として、以下の研究を行った。1) ユビキチン・プロテアソーム系とオートファジー・リソソーム系の両タンパク質分解経路の活性をin vivoで包括的にモニターするために、CL1-mDsRedとGFP-LC3とを共発現するショウジョウバエ(GFP-LC3/CL1-mDsRed Fly)を樹立した。2)選択的オートファジーに関わると考えられているp62の病態における役割を明らかにするため、PolyQ病モデルショウジョウバエとp62欠損ショウジョウバエの遺伝学的交配を行った。その結果、複眼変性の有意な増悪を認め、またPolyQタンパク質封入体蓄積の局在変化も認めた。今後、GFP-LC3/CL1-mDsRed Flyを用いてPolyQ病病態におけるタンパク質分解システムの異常を統合的に明らかにし、p62のPolyQタンパク質分解における役割を明らかにする。
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http://www.ncnp.go.jp/nin/guide/r4/index.html