研究領域 | セルセンサーの分子連関とモーダルシフト |
研究課題/領域番号 |
21026005
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大竹 史明 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助教 (60447373)
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研究分担者 |
武山 健一 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 講師 (30323570)
北川 浩史 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 特任講師 (20345234)
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キーワード | シグナル伝達 / ユビキチン / 転写共役因子 / 環境 |
研究概要 |
ダイオキシン受容体(AhR)のモーダルシフト機構についてはこれまで不明である。特に、AhRがユビキチンリガーゼ活性を有することを見出したため、E3活性と転写活性とのモーダルシフト機構の解明を試みた。まず一つの可能性として、細胞内シグナル伝達経路の下流でAhRの機能が制御される可能性を検討した。その結果、PKAシグナル依存的にAhRの転写活性が抑制され、逆にE3活性が促進されることを見出した。すなわち、PKAはAhRのモーダルシフトを誘導することが明らかとなった。さらに最近、AhRのE3活性が細胞周期依存的であることを見出した。すなわち、AhRのE3活性、およびE3複合体形成は、S期に増強し、M期に減弱することを見出した。この活性制御は、複合体会合レベルで制御されていることを見出した。このE3活性に一致して、AhRによる性ホルモンかく乱作用は、細胞周期のステージによってモーダルシフトすることが明らかとなった。すなわち、性ホルモン受容体の活性レベルでAhR機能を測定したところ、AhRの転写制御機能とE3機能は細胞周期で変換し、これによって生理作用レベルでの機能使い分けが生じることが示唆された。このようなモーダルシフトの分子機構として、細胞周期関連因子によってAhRが制御されることが予想された。そこで、サイクリン・CDKによるAhR制御の有無を検討している。さらに、AhRの機能変換の鍵として、AhRj自身の翻訳後修飾の可能性を考え、検討準備を行っている。
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