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2010 年度 実績報告書

可視化とオルガネラ機能解析から探る植物の機能発現メカニズム

公募研究

研究領域植物メリステムと器官の発生を支える情報統御系
研究課題/領域番号 21027010
研究機関東京大学

研究代表者

上田 貴志  東京大学, 大学院・理学系研究科, 准教授 (10311333)

キーワードバイオイメージング / エンドサイトーシス / オルガネラ / エンドソーム
研究概要

植物細胞内に多数存在するオルガネラは,動物とは異なる多様でユニークな機能を持つことが明らかとなりつつある.これら植物特有の多様なオルガネラ機能は,そこに局在するタンパク質の組成や分子間相互作用の多様性を反映したものであると考えられるが,その発現機構は依然未解明の部分が多く残されている.本研究においては,バイオイメージングを主要な手段として,植物のオルガネラ機能のさらなる解明と,その多様性獲得機構を明らかにすることを目指している.平成22年度においては,植物固有のRAB5であるARA6のエフェクター候補分子,PUF2について,詳細な機能解析を行うとともに,その細胞内局在を様々なオルガネラマーカーを用いて観察した.その結果,PUF2がRAB5 GEFであるVPS9aのエンドソームへの局在化を促進すること,ARA6よりもむしろ,保存型RAB5であるARA7とより高い共局在性を示すことなどが明らかとなった.また,変異体を用いた遺伝学的解析においても,PUF2が保存型RAB5と強い遺伝学的相互作用を示すことが明らかとなった.これらの結果から,PUF2はVPS9aを介し,植物特異的なRAB5と保存型RAB5の機能を統御する因子であることが明らかとなった.ARA6は,RAB5に最も高い類似性を示しながら,通常のRAB GTPaseとは異なる構造を持つ陸上植物に特異的なRAB GTPaseである.このことから,植物が,進化の過程において,独自のRAB5分子を獲得し,それに伴い新たな膜交通経路を開拓してきたことが示唆される.

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2010 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Vacuolar/prevacuolar compartment Qa-SNAREs, VAM3/SYP22 and PEP12/SYP21 have interchangeable functions in Arabidopsis.2010

    • 著者名/発表者名
      Uemura T, et al.
    • 雑誌名

      Plant J.

      巻: 64 ページ: 864-873

    • 査読あり
  • [雑誌論文] GDP-Bound and Nucleotide-Free Intermediates of the Guanine Nucleotide Exchange in the Rab5/Vps9 system.2010

    • 著者名/発表者名
      Uejima, et al.
    • 雑誌名

      J.Biol.Chem.

      巻: 285 ページ: 36689-36697

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 植物のSNARE複合体と膜融合2010

    • 著者名/発表者名
      上田貴志
    • 雑誌名

      生体の科学

      巻: 61 ページ: 269-275

  • [学会発表] How plants have acquired unique endosomal trafficking pathways.2010

    • 著者名/発表者名
      Takashi Ueda
    • 学会等名
      Biochemistry and Molecular Biology 2010
    • 発表場所
      Kobe, Japan,神戸ポートアイランド
    • 年月日
      2010-12-09
  • [学会発表] Plant-unique endosomal trafficking pathways regulated by ARA6.2010

    • 著者名/発表者名
      Takashi Ueda
    • 学会等名
      The 2^<nd> NIBB-MPI joint symposium
    • 発表場所
      Okazaki, Japan
    • 年月日
      2010-11-16
  • [備考]

    • URL

      http://www.biol.s.u-tokyo.ac.jp/users/hasseipl/HP/index.html

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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