公募研究
開花のスイッチ、すなわちつぼみを開花させて花にするスイッチの分子機構を明らかにすることを目的に、シロイヌナズナで開花ホルモンとして働くことが分かっているジャスモン酸(JA)の生合成制御機構に注目して以下のような研究を行った。1. 発達中の花器官でclass 1 KNOX遺伝子の発現を抑制する新奇な分子機構の発見発達中の葉や花器官におけるclass 1 KNOX遺伝子の抑制にAS1およびAS2遺伝子が重要であることはよく知られている。シロイヌナズナの突然変異体を用いた解析から、我々は、花器官ではARF6およびARF8遺伝子もAS1、AS2遺伝子と独立に同じ機能を果たしていることを明らかにした。そして、このclass I KNOX遺伝子の抑制が、JA生合成酵素の遺伝子(DAD1)の発現を活性化するための必要条件であることを明らかにした。2. JA生合成に関わる新規酵素の同定開花時に雄しべは伸長するが花弁が伸長しないシロイヌナズナの突然変異decolについて解析を進めた。decol変異体のつぼみでは、ペルオキシソームのβ酸化経路の酵素ACXの突然変異体と同様、JAの生成量が野生型の約半分まで低下していた。DECO1遺伝子は他のJA生合成酵素と同様に開花直前のつぼみの花糸で特異的に発現しており、JA生合成に直接関与する可能性が示唆された。3. シロイヌナズナの花糸及び花弁の成熟過程における遺伝子発現の変化の解析ステージ12から14までの各発達段階のつぼみ(または花)の花弁や花糸からRNAを抽出し、マイクロアレイによって遺伝子発現の変化を追跡した。
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http://tabacum.agr.nagoya-u.ac.jp/index.html