今年度は、シロイヌナズナのミヤコグサオルソログLjABCB1の変異がミヤコグサの根粒形成にどのように影響を与えるかを評価するため、TILLINGラインをイギリスのJohn Innes Centreから13種取り寄せ、全てのラインに関してホモ個体とした。全てのラインを調べたが、残念ながら野生型に比べて明確な差を示すものは無かった。その原因は、EMSによる変異が13ラインとも全て類似アミノ酸に変わっていたか、変異があったものも特徴的なアミノ酸では無かったことによると判断した。 根粒形成に対するオーキシンの寄与については諸説あり、統一的な理解になっていない。そこで、本研究では、オーキシン輸送の阻害剤数種類を使って、それらが根粒形成に対して府の影響を与えることを示した。さらに、オーキシンの寄与を別角度から評価するために、オーキシンのアンタゴニストを与え、その効果が同様であることも示した。今後は、この影響が直接手なものか、間接的なものかを評価する必要がある。 これ以外に、従前に発注していた2種類のペプチド抗体の反応性を調べたが、根粒から調製した蛋白質で特異的なバンドが検出され無いことが分かった。そこで、大腸菌にて可溶部分を発現させ、それを抗原にして兎を免疫することにした。年度末に抗体が納品されたため、反応性のテストに供する予定である。
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