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2009 年度 実績報告書

クローン胚に特異的なDNA脱メチル化と核リプログラミングの機構解明

公募研究

研究領域生殖系列の世代サイクルとエピゲノムネットワーク
研究課題/領域番号 21028001
研究機関岩手大学

研究代表者

澤井 健  岩手大学, 農学部, 助教 (90390864)

キーワードウシ / 体細胞クローン / 初期胚 / エピジェネティクス / DNAメチル化 / ヒストンアセチル化 / トリコスタチンA / リアルタイムPCR
研究概要

マウスの体細胞核移植(NTSC)では,HDAC阻害剤のトリコスタチンA(TSA)で再構築胚を一定期間培養することにより胚盤胞(BC)期への発生率およびNTSC個体の作出率が向上することが知られているがウシNTSC胚の遺伝子発現機構におよぼす影響は明らかではない。そこで本年度は,TSA処理がウシNTSC胚のmRNA発現量およびヒストンのアセチル化におよぼす影響について検討した。ウシ線維芽細胞をドナー細胞に用いてNTSCを行い,50nMTSA添加または無添加培地で再構築胚を14時間培養した。培養7日目にBC期胚を採取し,RT-リアルタイムPCR法を用いてIGFBP-2,IGFBP-3およびFGF-4遺伝子のmRNA発現量解析を行った。また,BC期におけるヒストンH3およびH4のアセチル化状態を組織免疫染色法により解析した。ウシNTSC胚のIGFBP-2発現量はTSA処理の有無にかかわらず体内受精・体内発生(Vivo)胚および体外受精(IVF)胚と比較して差は認められなかった。TSA無処理NTSC胚のIGFBP-3発現量はVivo胚と比較して有意(P<0.01)に低い値を示したが,TSA処理胚においてはVivo胚およびIVF胚と比較して差は認められなかった。一方,NTSC胚のFGF-4発現量はTSA処理の有無にかかわらずVivo胚と比較して有意(P<0.01)に低い値を示した。TSA無処理NTSC胚のヒストンH3およびH4はともに低アセチル化状態にあったが,TSA処理により高アセチル化状態を示す胚が増加し,その割合はVivo胚と同程度であった。以上の結果より,ウシNTSC胚のTSA処理は,再構築胚のmRNA発現およびヒストン修飾を変化させ,NTSC胚の遺伝子発現機構の一部を正常化する可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Changes in the DNA methylation status of bovine embryos from the blastocyst to elongated stage derived from somatic cell nuclear transfer2010

    • 著者名/発表者名
      Sawai, K., Takahashi, M., Moriyasu, S., Hirayama, H., Minamihashi, A., Hashizume, T., Onoe, S.
    • 雑誌名

      Cellular Reprogramming 12

      ページ: 15-22

    • 査読あり
  • [学会発表] トリコスタチンAがウシ体細胞核移植胚の遺伝子発現およびヒストン修飾におよぼす影響2009

    • 著者名/発表者名
      澤井健, 大崎翔, 藤井貴志, 橋爪力, 平山博樹, 森安悟
    • 学会等名
      第102回日本繁殖生物学会
    • 発表場所
      近畿大学農学部(奈良県)
    • 年月日
      2009-09-11
  • [学会発表] ウシ体細胞クローン胚の遺伝子発現とその制御機構2009

    • 著者名/発表者名
      澤井健
    • 学会等名
      第147回日本獣医学会学術集会
    • 発表場所
      栃木県総合文化センター(栃木県)
    • 年月日
      2009-04-02

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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