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2009 年度 実績報告書

半導体における全量子力学的光学応答理論と非線形光子制御への応用

公募研究

研究領域半導体における動的相関電子系の光科学
研究課題/領域番号 21104507
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

越野 和樹  東京医科歯科大学, 教養部, 准教授 (90332311)

キーワード量子光学 / 非線形光学 / 輻射緩和 / 位相緩和 / 単一光子 / 一次元系
研究概要

光子の量子状態を別の光子を用いて制御する「全光学的量子制御」は現代物理学の最も挑戦的な課題の一つです.そのために最も有望な系が「共振器+少数準位量子系」ですが,これを集積性の面で優れた半導体にて実現し,様々な量子光学デバイスを提案することが本研究の大目標です.「共振器+少数準位量子系」は原子分子系において既に実現されていますが,半導体など固体における最大の注意点は,格子振動が物質中素励起のエネルギーに揺らぎを与えるため,輻射緩和と純位相緩和とが共存する点です.よって本年度は,固体量子系に特有の,純位相緩和を扱う理論手法の開発に注力しました.
輻射緩和を理論的に扱う際の標準的処方箋は,輻射緩和の源となる輻射場と少数準位量子系とを非対角的に結合させることでした.これを「純位相緩和の源となる格子振動場を線形分散を有するボゾン場として導入し,それを対象となる少数準位量子系と対角的に結合させ,全系の動力学をハイゼンベルグ方程式により解く」という方法により,純位相緩和へと拡張しました.この手法には(1)輻射緩和・純位相緩和を共に環境自由度との相互作用により導入しているため,両緩和機構のインタープレイについても曖昧さなく解析可能である(2)線形分散場としての性質により,環境自由度を近似無しに消去できる,という理論的便利さがあります.この手法をΛ型三準位系の単一光子に対する光学応答に適用し,純位相緩和がどのようにラマン遷移効率に影響するかなどを明らかにしました.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Theoretical method for analyzing quantum dynamics of correlated photons2009

    • 著者名/発表者名
      越野和樹, 中谷正俊
    • 雑誌名

      Physical Review A 79

      ページ: 054401, 1-4

    • 査読あり
  • [学会発表] 光子数確定パルスの時空間制御理論2010

    • 著者名/発表者名
      越野和樹
    • 学会等名
      第57回 応用物理学関係連合講演会
    • 発表場所
      東海大学
    • 年月日
      2010-03-18
  • [学会発表] パルス形状を保持した二光子符号反転2009

    • 著者名/発表者名
      越野和樹
    • 学会等名
      日本物理学会 2009年秋季大会
    • 発表場所
      熊本大学
    • 年月日
      2009-09-27
  • [学会発表] 量子もつれあい光子対生成における多光子入射の効果2009

    • 著者名/発表者名
      吉見一慶, 越野和樹
    • 学会等名
      日本物理学会 2009年秋季大会
    • 発表場所
      熊本大学
    • 年月日
      2009-09-27

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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