研究概要 |
本研究提案における具体的な研究課題(変更後) (1)厳密なゲージアノマリー相殺を実現する局所項の新しい構成法の確立と2次元模型における数値的な検証 (2)4次元SO(10)模型,標準模型への適用と数値的な検証 (3)格子Glashow-Weinberg-Salam模型を用いたone-loopバリオン数拡散率の計算 のうち,課題(1)について,2次元非可換群の場合に,局所コホモロジー問題の解を構成する新たな手法が得られた。この方法では,3次元Chern-Simons currentのField tensorによる展開を行うこと,及び,2次元ゲージ場の配位の補間方法が線形的であることがポイントになっている。 この方法に基づいて,2次元非可換群格子カイラルゲージ理論の構成的定義が展開できる。この構成法は数値的な処理も比較的容易なことから,格子カイラルゲージ理論の数値的な応用に向けた基礎的な研究に利用できると期待している。特に,作用の複素位相による符号問題の程度を調べることが可能になる。ただし,この方法の4次元への拡張は単純ではなく,課題(2)に向けては,新たな解法を探す必要がある。
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