ガンマ線バーストガンマ線バースト・極超新星の発生メカニズムは未解明なことが多く、コラプサーモデルという有力説はあるものの、極超新星の明るさを決定している56Niがいつ、どこで生成されているのか解明出来ていません。その原因は、コラプサーのダイナミクスをシミュレートするグループと、元素合成のシミュレーションを行っているグループがそれぞれ別個の計算をしており、ガンマ線バースト・極超新星の統一的な描像が描けていない点にあります。従って、この状況を打開するために、研究代表者の長滝はコラプサーのダイナミクスをシミュレートするコードに充分な核反応計算を組み込み、長時間数値シミュレーションによって56Niがいつ、どこで、どれだけ生成されるのかを明らかにする方向性を探っていくことにしました。研究初年度に於きましては、まずベースとなる一般相対論的磁気流体コードの開発を行いました。これによって、中心にブラックホールを持つ大質量星に於けるガンマ線バーストジェット形成過程が明らかにされました。これによって、星中心部分に於ける密度温度進化が明らかとなり、原子核反応計算の下地が出来上がったと言えます。
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