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2009 年度 実績報告書

界面の分子スケールでの局所電気二重層効果による酸化還元反応速度の理論解析

公募研究

研究領域ソフトインターフェースの分子科学
研究課題/領域番号 21106511
研究機関甲南大学

研究代表者

山本 雅博  甲南大学, 理工学部, 教授 (60182648)

キーワード表面・界面物性 / シミュレーション工学 / モデル化 / 超薄膜 / 自己組織化
研究概要

固液界面に発生する電気二重層は,溶液と電極間の電位差のみが興味をもたれ,その距離依存性等の詳細が議論されことはすくない。Au(111)面上の末端に解離基をもつチオール自己組織化単分子膜のように表面電荷密度0.74μCm^<-2>が大きくなる場合は,電解質溶液中に存在する酸化還元体の界面での酸化還元反応速度が,帯電していない表面(酸化還元反応はブロックされる)にくらべて5桁以上も増加する。その増加は,解離基の解離度が1/100以下のところで起こることが明かとなった。この現象について我々は,末端解離基,電解質イオンを考慮したPrimitive Model(PM)を用いたモンテカルロ計算により電気2重層の構造,3次元電位分布を求めた。その3次元電位分布とButler-Volmer-Frumkin の理論を用いて酸化還元速度の電気二重層依存性を求め,実験結果と比較検討した。その結果,表面濃度が小さい解離基の回りの局所的な電気二重層の効果で5桁以上の酸化還元体の速度の増加が説明できることを示した。
本年は,上記の実験およびシミュレーションに加え,酸化還元の表面吸着波において電気二重層効果があらわるのかどうかを実験的に検証し,理論的には酸化還元体間に相互作用を取り入れた系をグランドカノニカルモンテカルロ法でシミュレートし表面吸着波の理論解析をおこなった。また,量子化学計算に基づいた分子動力学シミュレーションについての研究もおこなった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2009 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Phase-Separation of Ordered D0_3 Precipitates in A2+D0_3 Two-Phase Microstructure of Fe-Si-V Ternary Alloy System2009

    • 著者名/発表者名
      K.Ota, T.Shinoda, T.Hayashi, T.Kozakai, M.Doi, M.Yamamoto, M.Takagi, A.Matsumuro
    • 雑誌名

      Processing and Fabrication of Advanced Materials XIII

      ページ: 601-608

    • 査読あり
  • [学会発表] 電極反応と電気二重層:百年の歴史をもつGC理論とBV理論をどのように発展させたらいいんでしょうか?2009

    • 著者名/発表者名
      山本雅博
    • 学会等名
      ポーラログラフィーおよび電気分析化学討論会
    • 発表場所
      徳島大学工学部
    • 年月日
      2009-11-22
  • [学会発表] PS-52 Fe-Si-V合金のD0_3析出相の相分離2009

    • 著者名/発表者名
      太田佳吾
    • 学会等名
      日本鉄鋼協会
    • 発表場所
      京都大学工学研究科
    • 年月日
      2009-09-15
  • [学会発表] 解離基をもつ自己組織化単分子膜上での電子移動反応の電気二重層効果:実験と分子シミュレーションを 用いた理論解析2009

    • 著者名/発表者名
      山本雅博
    • 学会等名
      日本分析学会・主題講演
    • 発表場所
      和歌山大工学部
    • 年月日
      2009-05-16
  • [備考]

    • URL

      http://www.chem.konan-u.ac.jp/applphys/

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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