• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2009 年度 実績報告書

アミロイドーシス関連タンパク質の分子ダイナミクス

公募研究

研究領域揺らぎが機能を決める生命分子の科学
研究課題/領域番号 21107504
研究機関東京大学

研究代表者

黒田 玲子  東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (90186552)

キーワードamyloid凝集 / 円二色性 / Langmuir-Blodgett膜 / アルツハイマー病 / パーキンソン病
研究概要

近年、Alzheimer(AD)やParkinson病(PD)のようなアミロイドーシスが関与する凝集体の生成機構に注目が集まっている。タンパク質のミスフォールディングの結果として生じるamyloid fibrilに関する多くの研究がこれまで行われているが、タンパク質が変性過程を経て凝集体へと変化する詳細なメカニズムは明らかにされていない。このような動的なタンパク質の構造変化を追跡することが可能なら、これまで得られなかったような、in vivoにおけるamyloid凝集機構に関する新たな知見を得ることが可能となるだろう。しかし異方性存在下でのキラリティー測定には非溶液状態特有の巨視的異方性、つまり直線複屈折、直線二色性と装置の非理想性とのカップリング効果により見かけのシグナルが生じる。結果として求めるキラルsenseに由来する正しいシグナルを得ることができない。したがって、市販の分光計では異方性存在下でのキラリティー計測は非常に困難であるとされてきた。しかし、我々は、異方性存在下でのキラリティー測定可能な全偏光対応型分光計(UCS-1)、垂直型UCS-2及びStokes-Mueller matrix法に基づく解析法を独自に開発した。これらにより上記問題点を解決し真のキラリティー測定が可能となった。本課題では、ADやPDの原因タンパク質であるβ-amyloidやα-synucleinおよびタンパク凝集の多型モデルとして知られているinsulinについて、UCS-1及びUCS-2を用いた濃縮系でのキラリティー測定から、凝集機構についての新たな物理化学的な知見を得ることを目的とした。キャストフィルム、Langmuir-Blodgett膜などの非溶液状態、溶液状態では、これらのタンパクが異なった2次構造をとることを明らかにし、異なった環境要因を考察した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2011 2010 2009 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] CD measurements of β-amyloid (1-40) and (1-42) in the condensed phase2011

    • 著者名/発表者名
      T.Harada, R.Kuroda
    • 雑誌名

      Biopolymers

      巻: 95 ページ: 127-134

    • 査読あり
  • [学会発表] 自然界における右と左-固体状態のキラリティー測定から巻貝の巻型決定まで2010

    • 著者名/発表者名
      黒田玲子
    • 学会等名
      日本化学会関東支部 キラルセンシング
    • 発表場所
      つくば大学(招待講演)
    • 年月日
      2010-08-30
  • [学会発表] カイロモルフォロジー:キラリティーの創製、転写、増幅から測定まで2010

    • 著者名/発表者名
      黒田玲子
    • 学会等名
      日本化学会年会
    • 発表場所
      東大阪近畿大学(特別企画依頼講演)
    • 年月日
      2010-03-26
  • [学会発表] Molecular science of Fluctuation toward Biological Functions2009

    • 著者名/発表者名
      R.Kuroda. T.Harada, N.Asano, W.Dzwolak
    • 学会等名
      第3回ゆらぎ国際シンポジウム
    • 発表場所
      名古屋(名古屋大学)(招待講演)
    • 年月日
      2009-12-20
  • [図書] メデイカルバイオ別冊 揺らぎと生体機能2010

    • 著者名/発表者名
      黒田玲子
    • 総ページ数
      96-103
    • 出版者
      オーム社
  • [備考]

    • URL

      http://bio.c.u-tokyo.ac.jp/labs/kuroda/results.htm

URL: 

公開日: 2012-07-19  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi