研究概要 |
Polyglutamine tract binding Protein-1 (PQBP-1)のC末端ドメインと、スプライソソームのU5-15kDとの相互作用を研究した。GSTプルダウンアッセイによって調べた結果、PQBP-1のU5-15kD結合部位は223-265残基に含まれていることがわかった。次に、このフラグメント(223-265残基)とU5-15kDの結合をNMRによって研究した。PQBP-1 (223-265)の^<13>C/^<15>Nラベル体について、HNCA等の多次元NMRスペクトルを測定し、主鎖の連鎖帰属を行った。そして、^<15>N-PQBP-1 (223-265)に対して非標識のU5-15KDを滴定し、PQBP-1 (223-265)のNMRシグナルの変化を調べた。U5-15kDが結合することによって、241-263残基に帰属されたクロスピークのシグナル強度が著しく減少した。この結果は、U5-15kDに結合するには、PQBP-1はC末端ドメインの241-263残基を使っていることを示している。また、U5-15kDが結合すると、複合体に由来するピークが新たに数個観測された。しかし、U5-15kDが結合しても、PQBP-1の193-240残基のケミカルシフトは変化しなかった。これらの結果から、PQBP-1がU5-15kDに結合するには、241-263残基の短いフラグメントを使って結合し、それ以外の領域は変性して大きく揺らいだ状態を維持していると考えられた。さらに、PQBP-1の変異体についてGSTプルダウンアッセイを行い、Tyr245, Val251, Leu252が結合に重要であること、Tyr245の水酸基とAsn255のアミド基が結合に寄与していることを示した。
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