公募研究
近年、平面構造を強制したシクロオクタテトラエン(COT)の反芳香族性に関する研究が注目を集めている。さらにこのような"反芳香環"を2枚向かい合わせた分子において、空間を介する相互作用により芳香族性が誘起されるという理論研究が最近相次いで報告されている。このような背景のもと、本研究では、我々のこれまでの平面COTの反芳香族性に関する研究、ならびに含硫黄π共役系の基礎物性に関する研究および有機FETへの応用研究を基に、これらの独創的な成果を発展的に融合させることにより、"反芳香環"によって誘起される芳香族性のπ空間に関する基礎および応用研究を推進することを目的とする。今年度は中央に反芳香族性の平面COT環を有するジチエノチオフェン二量体の置換基について、アルキル基、アルキルチオ基、アルキルエチニル基、チエニルエチニル基を導入する合成経路を確立した。そのうちエチル基とヘキシル基については結晶構造解析に成功し、エチル誘導体ではπスタック構造をしているが、ヘキシル誘導体ではπスタックが妨げられたパッキング構造をとっていることが解った。
すべて 2010 2009 その他
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (5件) 備考 (1件)
Dalton Trans. 39
ページ: 2293-2300
Tetrahedron Lett. 51
ページ: 679-682
J.Am.Chem.Soc. 132
ページ: 1066-1074
Symmetry 2
ページ: 76-97
Materials 3
ページ: 2037-2052
Chem.Phys.Chem. 10
ページ: 2607-2611
http://www.sci.metro-u.ac.jp/chem/org/