公募研究
平成21年度に実施した研究内容は、(1)中央インド洋海嶺で反射法地震探査を実施、(2)伊平屋北海丘で取得された反射法地震探査データの解析と解釈、(3)平成22年度に実施される国際統合掘削計画(IODP)Expedition 327航海の準備である。(1) 中央インド洋海嶺(Kairei field)で反射法地震探査を実施:11月に中央インド洋海嶺で反射法地震探査データ(シングルチャネル)を取得した。その上で「しんかい6500」の潜航地点の決定を行った。さらに潜航で得られた岩石試料を参照することで、本調査海域の岩層の空間的な分布を推定した。Kairei field周辺で、密に反射法地震探査データを取得したのは、初めてである。(2) 伊平屋北海丘の解析と解釈:伊平屋北海丘周辺で取得された反射法地震探査データに対してデータベースを作成し、地質解釈(熱水経路の推定)を行った。伊平屋北海丘では、IODPによる掘削が計画されており、その熱水経路を事前に予測することは重要であると考えられる。現在論文を執筆中である。(3) IODP Expedition 327航海の準備:平成22年度夏に、IODP Expedition 327航海にCo-chief研究者として参加し、ファン・デ・フーカ中央海嶺東翼部で海洋性地殻内流体モニタリングを実施する予定である。本航海では、掘削孔に流体モニタリング装置を設置するが、そのモニタリング装置や複雑な掘削オペレーションに関する打ち合わせを行った。本航海の目的は、浸透率の異方性やスケール依存性を調べることである。さらに私は、その浸透率に関する情報を既存の反射法地震探査データと比較し、流体の移動経路となっているフラクチャー等を反射断面図上で特定することを試みる。
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IODP Scientific Prospectus, Washington, DC (Integrated Ocean Drilling Program Management International, Inc.). 327
Island Arc 19
ページ: 105-119
物理探査 62
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Proceeding of the Integrated Ocean Drilling Program, Washington, DC (Integrated Ocean Drilling Program Management International, Inc.). 314/315/316
http://earth.kumst.kyoto-u.ac.jp/~tsuji/index.html