公募研究
ナノ特有の機能を有する最小の構造体であるナノ粒子を用いた、ナノ粒子デバイスの開発を目的としている。ナノ粒子をデバイス応用するためには、任意の場所に必要な量だけ集積する必要がある。本研究では、ナノ粒子および基板表面のナノレベルの材料設計により、リソグラフィによる光造形やテンプレートを不要とする金属ナノドット作製する手法の提案と、自己組織化法でしか作製できないフローティングナノドットメモリとして、異種金属ナノ粒子単層膜の作製と多値化メモリの開発を目的とした。独自開発した液体ナノプロセス装置を用いて、粒子径12nmの金ナノ粒子単層膜をアミノシラン処理したトンネル酸化膜上に成膜し、集積密度8.0×10^<10>/cm^2が得られた。このナノ粒子単層膜を3.5nmの熱酸化膜とスパッタ法により成膜した厚み20nmの酸化膜界面に閉じ込めることにより、ナノ粒子MOSキャパシタを作製した。容量-電圧測定では再現よく時計回り方向のヒステリシスループが観測された。ゲート電圧印加の掃引にともなったナノドット内への電荷の充放電を示唆しており、電子の閉じ込めがフラットバンド電圧のシフトを引き起こしたことがわかった。仕事関数の異なる二種類以上の金属ナノドットを同一平面に集積することができれば、電圧制御による多値化メモリが実現できる。粒子径5nmの白金ナノ粒子をあらたに合成し、金ナノ粒子単層膜成膜後の基板上に、白金ナノ粒子単層膜の作製をおこなった。白金ナノ粒子表面、および金ナノ粒子表面を負に帯電させ、粒子間の間隙を正に帯電させた結果、白金ナノ粒子は金ナノ粒子間の間隙にのみ単層状に集積され、その集積密度は5.0×10^<11>/cm^2が得られた。テンプレートを要することなく、同一平面上に異種金属ナノ粒子混合単層膜の成膜を世界で初めて実現した。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (13件) 備考 (1件) 産業財産権 (1件)
Applied Physics Letters 96
ページ: 043367
Physical Review B 80
ページ: 54103
2009 MRS Spring meeting Proceedings (印刷中)
Thin Solid Films (印刷中)
Journal of Nanoscience and Nanotechnology (印刷中)
http://www.dma.jim.osaka-u.ac.jp/kg-portal/aspi/RX0011D.asp?UNO=15041