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2009 年度 実績報告書

機能不全リボソームRNAを選択的に認識する因子の同定

公募研究

研究領域多様性と非対称性を獲得するRNAプログラム
研究課題/領域番号 21112511
研究機関京都大学

研究代表者

北畠 真  京都大学, ウイルス研究所, 助教 (10321754)

キーワードリボソーム / 品質管理 / RNA
研究概要

酵母リボソームの品質管理機構を明らかにするための研究基盤の整備を行った。具体的には、酵母リボソームRNAにMS2結合配列を6回並列に繰り返した配列を挿入し、この挿入がリボソームRNAの機能に影響を与えないことを確認した。この挿入を持つRNAも、通常の野生型と同様にin vivoでPol I温度感受性株を相補する活性を保持していた。活性中心(PTC)に点変異を導入することで活性は完全に失われ、これまでにわれわれが明らかにした品質管理経路(Mms1遺伝子に依存する経路)によって選択的な分解が行われた。Mms1を欠損した変異株においてはこの挿入を持つ機能不全変異RNAも完全な安定化が見られた。以上の性質は、このMS2配列の挿入を持たせたRNAを用いても、酵母リボソームの品質管理機構の研究が可能であることを示唆している。
さらにこの挿入を利用して、成熟リボソームの撰択的沈降ができるかどうかを検証した。特定の(この場合にはPTCに点変異を持つ)RNAを含むリボソーム粒子のみを選択的に濃縮するためには、MS2配列に結合するMS2コートたんぱくを用いたアフィニティー精製ができなければならない。このRNAと同時に、GSTたんぱくを融合したMS2コートたんぱくを細胞内で発現させ、グルタチオンビーズによる変異リボソームのアフィニティー精製を試みた。ショ糖密度勾配遠心によりリボソーム粒子の大きさのフラクションを回収した上で、グルタチオンビーズによる精製を行い、変異リボソームの沈降を検証したところ、期待通りリボソームの沈降が見られることが分かった。MS2配列を持たないRNAを発現させた場合にはこれらのリボソームは沈降しないことから、こめ方法により特定の点変異をもつリボソームを選択的に濃縮することが可能となったことが分かった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] A role for ubiquitin in the clearance of nonfunctional rRNAs2009

    • 著者名/発表者名
      藤井耕太郎・北畠真・坂田知子・宮田淳美・大野睦人
    • 雑誌名

      Genes and Development 23

      ページ: 963-974

    • 査読あり
  • [雑誌論文] リボソームRNAの品質管理2009

    • 著者名/発表者名
      北畠真・藤井耕太郎・大野睦人
    • 雑誌名

      蛋白質核酸酵素 増刊 54

      ページ: 2195-2200

  • [学会発表] リボソームRNAの品質管理におけるユビキチンの新たな役割2009

    • 著者名/発表者名
      北畠真
    • 学会等名
      第82回日本生化学会年会
    • 発表場所
      神戸国際会議場
    • 年月日
      2009-10-22
  • [学会発表] A role for ubiquitin in the clearance of nonfunctional rRNAs2009

    • 著者名/発表者名
      北畠真
    • 学会等名
      8th International Conference on Ribosome Synthesis
    • 発表場所
      Regensburg, Germany
    • 年月日
      2009-08-28
  • [学会発表] A role for ubiquitin in the clearance of nonfunctional rRNAs2009

    • 著者名/発表者名
      北畠真
    • 学会等名
      RNA meeting2009
    • 発表場所
      Madison (WI), USA
    • 年月日
      2009-05-28

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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