細胞膜タンパク質は、ユビキチン化依存的に細胞表面からエンドサイトーシスされ、リソソームに輸送されて分解される。そして、エンドソームにおいて脱ユビキチン酵素UBPYとAMSHがユビキチン化された細胞膜タンパク質を脱ユビキチン化し、そのリソソームでの分解を負に調節していることが明らかになっている。我々は、酵母two-hybrid法によりAMSH結合タンパク質をスクリーニングし、N末端にアンキリンリピート、C夫端にユビキチン結合モチーフUIMをもつ機能未知のタンパク質Ankrd13AをAMSH結合タンパク質として同定した。そこで上皮細胞増殖因子EGFの受容体のエンドサイトーシスにおけるその機能解析を行い、以下の結果を得た(未発表)。 1. Ankrd13Aは、EGF刺激依存的に、刺激後5分をピークとしてEGF受容体と結合した。そして、その結合にはアンキリンリピートは不要であったが、UIMが必要であった。また、in vitroのプルダウン実験により、Ankrd13AはUIMを介してLys63結合型ポリユビキチン鎖と特異的に結合した。このことは、EGF受容体がLys63結合型ポリユビキチン化を受けるというこれまでの報告と合致した。したがって、Ankrd13Aが活性化されユビキチン化されたEGF受容体のユビキチン鎖に結合することが示唆された。 2. Ankrd13A過剰発現細胞において、EGF刺激5~10分後におきるEGF受容体の細胞膜からのインターナリゼーションが阻害された。この阻害効果は、Ankrd13AのUIM欠失変異体、アンキリンリピート欠失変異体のいずれにおいても見られたが、両方を同時に欠失させると失われた。したがって、UIM、アンキリンリピートのいずれもがEGF受容体のインターナリゼーションに関与することが示唆された。 以上、Ankrd13Aが細胞膜上で活性化されたEGF受容体にユビキチン化を目印として結合し、そのインターナリゼーションを制御している可能性が示唆された。
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